葦書房

葦書房有限会社
福岡市中央区赤坂3-1-2
第2大東ビル1F (〒810-0042)
TEL092-761-2895 FAX092-761-2836
ashi@gold.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~ashi/


お遍路に出かけてみませんか 05/3/11





昨年、年金未納問題で党首を辞任した民主党の菅元代表が、四国遍路の旅に出て話題を呼びました。当時はご紹介を控えておりましたが、弥生三月はじめての「おすすめ本」として、若い女性のお遍路体験記をご紹介いたします。菅元代表に限らず、お遍路は何かの難問にぶつかったり、悩みをかかえていたりと、何かきっかけがあって旅立つものと相場は決まっておりますが、本書の著者は心に悩みを抱えていたり、何か特別のきかっけがあったわけではなく、ご本人にもその理由が分からぬままにお遍路に出かけたという、ちょっと変わったお遍路体験記です。最近はちょっとしたお遍路ブームで、観光旅行めいた雰囲気もないわけではありませんが、本書はそうした雰囲気とも無縁です。

帯を読むと超心霊術者かとも思われるかもしれませんが、そうではなく、鋭敏な感覚の持ち主ではあるものの、著者はごく普通の若い女性です。ごく普通の女性ですが、自分に対しても、他人に対しても、人生に対しても非常に誠実であるということが、どのページからも伝わってきます。彼女の誠実さがお遍路への旅へといざなったと思われてくるような、気分が洗われる一書です。なお、本書は西日本新聞に連載されたものをもとにまとめたものです。著者の田崎さんは、大学卒業後は太宰府市の発掘事務所に勤務されているそうですが、今もお元気でしょうか。

実はわたし自身も子供のころの一時期、お遍路さんとは縁のある生活をしていました。父親の姉である伯母が、四国八十八ヶ所の札所の一つであるあるお寺に嫁いでおりましたが、伯母には子供がなく、わたしが伯母の子供代わりのようにして、しばらくそのお寺で暮らしておりました。今から数十年前のことですので、お遍路さんにももっと暗くて、重いイメージがありました。本書を読むと、お寺で過ごした当時のことを思い出すととともに、年月の隔たりを強く感じずにはいられません。(久本福子 05/3/11)


1991年初版刊/四六判/152頁/1165円+税

葦書房有限会社
福岡市中央区赤坂3-1-2
第2大東ビル1F (〒810-0042)
TEL092-761-2895 FAX092-761-2836
ashi@gold.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~ashi/


おすすめ本  ご注文   葦書房