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 葦の葉ブログ

  またもやデザインを変更いたしました。よほどヒマなのかと思われるかもしれませんが、貧乏暇なしで、サイトのデザインを取っかえ引っかえしてる場合ではないのですが、やむなく三タビの変更になりました。なぜ変えたのかも含めて、近いうちに、HP作成体験記をまとめたいと思います。今回は前回の続編のような内容で、森友問題にも言及していますので、27日に国会で開かれる佐川前国税庁長官の証人喚問を聞いた上で更新することにいたしました。


2018/3/28
森友問題の思想的背景
久本福子


 昨日、衆参両院において佐川前国税庁長官の証人喚問が行われました。佐川氏は、政治家の関与も昭恵夫人の関与もなかったと明確に否定しましたが、では誰が、何のために文書を改ざんをしたのかとの問いには、刑事訴追のおそれありとして、証言を拒否しました。誰が何のために文書を改ざんしたのかはこの問題の核心部分になるとはいえ、森友問題が我々に突きつけた最も深刻な問題は、日本が抱える積年の宿痾(しゅくあ)が日本の政治を蝕んでいるということです。では、その宿痾とは何か。

 森友問題で最大の謎は、どう見てもヤマ師としか思えない籠池氏が、なぜ次々と有力政治家と関係をもつことができたのかということです。おそらくその理由は、籠池氏が日本会議大阪支部の支部長をしていたからだと思われますが、実はこの肩書きは籠池氏が勝手に捏造したもので、籠池氏は7年前に、会費が切れたのを機に、自ら申し出て日本会議を退会しているという。支部長どころか会員ですらないにもかかわらず、「日本会議大阪代表・運営委員」とのニセの肩書きの名刺を作り、財務省関係者に配布していたという驚きの事実が、「森友問題に関する文書書き換えについての日本会議の立場」で明らかにされています。籠池氏の詐欺師ぶりは想像を超えていますが、日本会議の利用価値だけはよくよく心得ているようです。籠池氏はおそらく、日本会議大阪代表を詐称したニセ名刺を他でも配布していたと思われます。

 日本会議は、「誇りある国づくりへ」「国を愛する新しい国民運動ネットワーク」との理念に示されているように、保守系団体、いわゆる右翼系組織であるわけですが、自民党の保守派議員にとっては、心許せる同志的団体の一つであることは広く知られているとおりです。自民党議員にとっては、この日本会議の大阪代表ともなれば、無視できない有力者であったことは説明は不要だろうと思われます。選挙で選ばれる議員は、全ての有権者と良好な関係を結びたい、維持したいと考えているはずですが、特に、支持者、支持団体ともなれば、恒常的に良好な関係を維持したいと考えるのはある意味当然です。ただ、良好な関係を維持するために、利益供与等が発生するとなれば、問題になるのはこれまた当然ですが、何人もの政治家の名前が挙がっているものの、籠池氏から寄付や資金提供を受けた政治家は皆無のようです。もしもそういう政治家がいたならば、籠池氏が暴露しないはずはありません。籠池氏が暴露したのは、昭恵夫人から100万円をもらったという逆のケースのみです。籠池氏のこの吸引力は、日本会議大阪代表を詐称していたことと無関係ではないはずです。

 日本会議はその右翼的思想ゆえに欧米からは批判的に見られていますが、ここには、世界に例のない、極めて日本的な特異性が表れています。日本では、国を愛するとか、日本的伝統のすばらしさを称揚したり、日本人としての誇りを持とうなどと口にすると、右翼だと言って蔑視されるような状況が戦後から今日まで延々と続いています。敗戦後GHQによって、軍国主義称揚に繋がりそうなあらゆるものを徹底して廃滅するための日本解体策が実施されましたが、現在我々日本人を呪縛しているような、日本人を貶めるための反日思想は、GHQ体制下では存在していませんでした。GHQの統治から独立した後も日本は反日呪縛どころかどころか、不死鳥のように戦後復活を果たし、世界中から賞賛を浴びていましたし、我々日本人も誇りを持って生きてきました。しかし何時の頃からか、20年ぐらい前からか、日本人は誇りどころか、自らを卑下する自虐史観、反日思想の強い呪縛下で生きることを強いられるようになりました。そしてその呪縛は、今なお続いています。

 欧米をはじめどこの国にも、左翼、右翼と呼ばれる思想や政治勢力は存在しますが、いずれの国でも自国を愛する思想信条を右翼だと呼び、まるで反人道的な悪徳であるかのように忌避する、日本のような思想的対立は存在していないはずです。日本では、国を愛すると言ったり、日本の良さをほめると右翼だと呼ばれ蔑視の対象にすらなってきました。なぜなのかとの疑問に対しては、GHQの洗脳策の結果であり、その手先になったマスコミの偏向によるものだというだけでは、どうもスッキリとはしません。日本における右翼に対する蔑視感は、余りにも強いからです。

 おそらく日本では、右翼といえば、戦車のような外装をした街宣車を使って、どでかい音でガナリ立てる異様な集団=ヤクザのような危険な集団、としてのイメージが強く刷り込まれてきたからではないかと思います。最近はその姿はほとんど見かけなくなりましたが、この街宣車集団は、韓国人が教祖の統一教会が背後で組織していたものと思われます。一見すると、彼らの右翼的な活動は、日本を愛する思いの発露だとの誤解を招きかねませんが、実は全く逆の効果を狙ったものであることに注意すべきです。彼らの活動は、日本を愛する、日本に誇りを持てというような右翼的思想は、非常に粗暴で、反知性的で好戦的な、ヤクザ集団のように非常に危険な集団が信奉する思想であるとの印象を、日本のすみずみにまで浸透させることを狙ったものであったことは明白です。その狙いは見事に当たり、日本では右翼的思想への蔑視感は非常に強く、反日思想こそが知性の証明でもあるかのような風潮が今なお強く残っています。

 こうした風潮の中で右翼的思想を信奉するのは、よほど信念の強い人か、右翼的思想を単に利権獲得の手段に利用しようという人たちだと思われます。手持ち資金がないにもかかわらず、大阪府や国から税金を騙し取って小学校建設を企てた籠池氏は、後者の代表であるのは言うまでもありません。健全な保守思想ですら大手マスコミからは危険だとして排除されてきた日本では、ペテン師以外の何ものでもない籠池氏のような人物が、保守派政治家層に一定の影響力を行使するのは、非常に容易であったと思われます。それにしても会費すら払わずに日本会議大阪代表を詐称していた籠池氏のタチの悪さは想像を超えていますが、籠池氏は、ゴミ発覚をネタに夫婦揃って財務局に押しかけ、損害賠償を請求するなどと脅しをかけていました。籠池夫妻の脅迫めいた行為も改ざん前の文書に書かれていたそうですが、マスコミも野党も、籠池氏のこの脅しに屈したのが今回の騒動の発端だったという事実に、もっと目を向けるべきではないか。

 自虐史観、反日思想が公共放送であるNHKも含めて、大半のマスコミから日常的に垂れ流されているだけではなく、教育現場にも広がっている中で、幼稚園児の段階から、非常に露骨な愛国教育を実施している籠池氏の幼児教育方針に、保守派政治家たちは、自虐史観、反日思想教育からの脱却の一つの契機を見たのかもしれません。しかし籠池氏の超露骨な政治的な愛国教育は、まさに反知性以外のなにものでもなく、単に教育を破壊するものでしかないのは言うまでもありません。日本では、自虐史観、反日思想がマスコミのみならず教育界にまで広く浸透していますので、ここからの脱却を現実的なものとすることは非常に難しい。それゆえに、政治家もサギ師籠池氏の罠にはまったのでしょうが、罠にはまった政治家を非難するだけではこの問題は解決しません。戦後の日本が抱える宿痾だと見るべきでしょう。

 しかも日本では、自虐史観、反日思想の流布、浸透活動は、中韓、特に韓国政府による日本の植民地批判と密接に連動しており、日韓の濃密な反日活動連携が、他国にはない、日本特有の国家観のゆがみ、偏向をもたらしています。その上日本には、在日韓国・朝鮮人の方々が大勢住んでおられます。加えて、韓国系の民団、北朝鮮系の朝鮮総連という、それぞれの母国政府の代理機関のような非常に強固な政治組織が存在し、あらゆる方面にその影響力を行使しつづけてきました。

 こうした政治状況、思想状況の中で森友問題を考えるみると、この問題はきわめて先鋭的な政治闘争であったことが分かります。その実態は余りにもお粗末すぎますが、そのお粗末さが日本の政治の現在を映し出しています。自虐史観、反日思想からの脱却は、徹底した思想闘争としてなされるべきであるにもかかわらず、単なる票田の一つぐらいにしか考えておらず、その種の勉強をしている政治家は自民党の中にもほとんどいないのではないか。

 昨日の証人喚問を傍聴した作家(ラジオゆえ、名前は聞き取れませんでした。)によると、自民党議員の大半は居眠りをしていたという。これが事実なら、居眠り議員は全員辞職すべきだと思いますが、その危機感の欠如にはあきれ果てて言葉もありません。

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