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葦レポート17号 05/10/13

 

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日付ごとにタイトルを独立させました。10/18
<目次>には、リンクは貼っていません。11/4

<目次>
(1)ヒーロー不在と衆議院選挙10/13
(2)村上ファンドと楽天10/15

(3)
恩を仇で返す楽天10/18
「盗難届」10/22
追記10/23↓ 
(4)「資本」による資本の毀損10/22
(5)韓国・中国・プロ野球10/26
(6)球界の異変と地名の異変10/28
(7)「靖国問題」と中国・韓国11/4 追記11/8↓
(8)河村英文氏の死去11/10 11/11
(9)池永復権と民主党11/17  追記11/21↓ 

 

(1)ヒーロー不在と衆議院選挙 10/13

郵政解散という異例の形で行われた衆議院選挙は、何時になく、日本中を熱気の渦に巻き込み、小泉自民党の圧勝に終わりました。世間の興奮をよそに、ここ一月ほどの間は決算処理に追われ、さらにその上、裁判の準備にも追われ、「葦レポート」の更新どころではありませんでした。しかし小泉首相自身にとっても予想を超える自民党の異常な圧勝に終わった今回の選挙結果は、日本の現在の姿を如実に示しており、遅ればせながら本レポートで取り上げることにいたしました。

自民党圧勝の勝因については、これまでも識者が新聞等で縷々論評しているようですが、いずれも現象面からの分析の域を出ていないように思われます。わたしはここ数年テレビを見たこともなく、時間的経済的事情からも入手しうる情報量もごく限られていますが、小泉自民党圧勝の原因は、ズバリ、ヒーローの不在がその背景にあると見ています。

ここ数年、論壇等でも現在はヒーロー不在の時代であるとか、ヒーローなんて無用だとか論じられてきましたが、現状を追認した「ヒーロー不在論」にしろ、ヒーローを追放することを狙った「ヒーロー無用論」にしても、現在はヒーローと目されるような人物がいないか、出現しにくい時代であるということを前提にしています。しかし現在のヒーロー不在は、各分野でヒーローであった人、あるいはヒーローとなりうる資質をもった人物が次々と不自然な急死を余儀なくされた結果もたらされた、きわめて人為的な操作によるものです。

すでにその一部は怪死者として取り上げてきましたが、ヒーローとは超人的な人気を博す人物であり、外部からのコントロールは簡単ではありません。日本そのものを牛耳ろうとしてきた堤清二氏を頂点にした文化ファシズム集団は、ありとあらゆる分野のヒーロー的資質をもった優秀な人材を、さまざまな形で抹殺しつづけてきました。目下、騒動になっている阪神電鉄買収をつづけている村上ファンドの動きも、こうした流れの中で見る必要がありそうです。

岡田阪神になってからの、初の優勝に沸き立っているさ中の買収騒動と阪神球団の上場要求。村上ファンドの代表村上世彰氏も阪神ファンだそうですが、ホンマかいなと大いに疑いたくなるような所業です。村上氏の行動は初の優勝を実現した岡田監督と選手たちとファンの優勝の歓喜に水を差す行為であるのは明らかです。せっかく優勝を果たしても、目下のところ、阪神球団をめぐっては、岡田監督や選手たちがヒーローではなく、村上氏が主役の座を奪っているといった雰囲気すら感じます。

村上氏が阪神ファンかどうかは別にしても、単に商売優先で買収騒動を起こすにしても、日本シリーズ終了後にやるのが、順当なやり方だろうと思います。仮にパに負けたとしても、阪神球団に限っては、その価値はいささかも揺らがないのは世間周知の事実です。とはいえ、日本一になれば、阪神電鉄グループのみならず、大阪経済界に及ぼす経済波及効果は格段にアップするのはいうまでもありません。

しかし思いもかけない唐突な買収騒動は、選手たちにも少なからぬ影響を与えずにはいないはず。強い球団はこんな騒動にも負けないとは思いますが、村上氏が真実儲け優先、商売優先を考えているのならば、阪神優勝にマイナスになるような動きは、少なくとも日本シリーズ終了までは控えるはずです。

村上氏はなぜ待てなかったのか。岡田阪神の優勝に水を差すことと、球界撹乱を狙ったものではないかと思われます。今回の騒動を見聞きするにつけ、昨年のダイエーホークスをめぐる強引かつ異様な解体騒動を思い出します。この騒動もシリーズ渦中に引き起こされました。おそらく根は同じだろうと思います。とはいえ西武の堤義明氏が黒幕だというのではありません。黒幕は別人です。しかし黒幕に直接迫るよりもまず、最近の球界をめぐる不可解な動きをとりあげてみたいと思います。

ずっと気になりながらも、今期のシリーズが終わってからにしようと思っていたのですが、ここまで来た以上、さらにつづけることにします。元西鉄ライオンズの池永正明投手の球界復帰をめぐる動きについてです。池永投手が八百長をやったのかどうかについては、今わたしは判断することはできませんが、事件から30数年も経っており、球界永久追放の軛から解放されても当然である、ということには異論はありません。

しかしこの春、池永氏の球界復帰が現実化しはじめてからの新聞各紙の扱いは、異様といわざるをえませんでした。各紙が紙面トップで取り上げたばかりか、くり返し大きな写真入りで報道。まるで凱旋将軍でも迎えるかのような扱いです。各紙がくり返し紙面で取り上げたのは、おそらく西日本地区限定だったのではないかと思いますが、球界の新しいヒーロー、「実力者」を無理やり作りだそうという意図ありありの紙面の浪費でした。

しかし不可解なことにある日突然、池永氏はマスコミのシニア寵児の座から姿を消してまいました。池永氏復帰の会の安部会長が理事長をしていた萩国際大学が倒産寸前だとのニュースが報道されて以降のことです。正式大学名は少し違っているかもしれませんが、萩市かその近郊の広大な土地を使って開設された新設大学です。なんと驚いたことには、安部氏は池永氏を大学の教授に迎え、大学の人集めに使おうとの魂胆だったらしい。日本の大学の質が落ちているとはいえ、ここまで落ちているのかと頭の中が真っ白になるほどでした。

しかし談合体制は新聞連合だけではなく、出版界もしっかりサポート。まるで業界ぐるみの行程表でも作られていたかのようなタイミングで、文芸春秋社から池永投手を讃える本が出版されました。にもかかわらずの、突然の沈静化。この急激な流れの変化は、池永投手復権もご本人以外の利権の産物であったことを窺わせます。しかし池永事件は、これで決着したわけではありません。その後の動きは、当時の読売新聞の池永シフトにまで戻らなければなりません。

当時、とはいえわずか数カ月前のことですが、池永氏の球界復帰が正式決定される前から、読売新聞は池永氏を講師にした同紙主催のセミナーを開き、紙面でも大きな顔写真入りで報じていました。読売の池永シフトと巨人軍の実力、人気の凋落とは密接に連動しているのいうまでもないでしょう。場外でのマスコミを総動員した人心操作で、球界の覇権地図を塗り替えようというのが、池永復権問題の隠された真相だからです。しかし読売新聞が自ら作ったシナリオではありません。このシナリオも堤清二作であるのは間違いないでしょう。

長くなりすぎますので、以降は次回につづく。

(2)村上ファンドと楽天 10/15

 楽天までが加わって、買収騒動がさらに過熱。獲物はTBS。村上氏の阪神買収と村上、三木谷両氏のTBS買収は、ともにプロ球団の親会社であるという点で共通しています。しかも時期が一致しています。とても偶然のこととは思えません。村上氏は横浜ベイスターズを売却することをTBS経営陣に要求しているそうですが、そう簡単に買手がみつかるのかどうか。しかるべき所に売却されれば問題はありませんが、複数の球団を所有するのは野球協約違反です。三木谷氏は、協約遵守を誓って楽天を発足させたはずですが、どうするつもりなのでしょう。

池永投手復権を盾に協約を「改正」し、仮に選手が不正を働いても、ペナルティを軽くしてしまった不正防止協約「改正」に習って、オーナー資格の条件も緩和させようと考えているのでしょうか。もしそうならば、プロ野球は劇的に変質を余儀なくされることになるでしょう。三木谷氏は、コミッショナーに相談するなどと平然と口にしているので、この協約違反の重大性にはまったく無自覚だと思えます。これ以上書くことには我ながら抵抗があるのですが、おそらくこの動きを画策した黒幕以外、誰も想像すらしていないと思われますので、思いきって書きますが、今回の買収騒動は昨年の1リーグ制への動きと狙いは同じです。つまりその狙いとは、一部の人間によって球界をコントロールすることです。

阪神球団上場を提案した村上氏も、ファン心理などまったく理解していないといわざるをません。いったい誰が、儲けのあるなしで球団を選ぶとでもいうのでしょうか。株主の判断基準は、利益を出すか出さないか、これだけです。ファン心理とはもっとも縁遠い。プロ野球に限りませんが、ファン心理とは、ほとんど恋愛感情と同じです。勝つことを祈り、勝てば勝ったでわがことのように喜びますが、負けたら負けたでなお一層応援せずにはおられない。ダメな男に貢ぎつづける女の心理に似たところあり。阪神ファンはその典型ですが、ファンとは、いわば無償の愛を、わが子に注ぐことに喜びを感じる親の気持ちにも通じます。

プロ野球にかぎりませんが、人間の才能そのものが商品である場合は、通常の資本の論理は単純には当てはまりません。一般的な商品の場合、同じような商品ならば、より安くて、より品質のいい商品が出れば、たちまちのうちにその商品にとって代わられます。あるいはAという商品がなくなれば、Bという商品で間に合わせることにも何の抵抗もありません。しかし人間が相手となれば、そう簡単には代替は不可能です。恋愛を例にすれば即了解いただけるはず。

しかしここ10年あまりの間、簡単には代替不可能な人間の才能までもが、一部の人間がコントロールして生産する、タダの商品と化すに至っています。この商品化ベルトコンベアには乗りそうもない有能な人材は排除され、あるいは次々と消され、残された才能は物いわぬをこれ幸いとばかり、死後次々と商品化されています。あるいは、与えられた材料を使って、次々と新商品を生産する人物の多くが、脚光を浴びるという仕組みが出来上がっています。このシステムは、かつて人類が体験したこともなければ、想像したこともないようなファシズム体制を可能にするものです。

わたしは、今回の買収騒動もこうした統制化への動きの一環だとみています。村上、三木谷両氏にはまったくその自覚はないはずですが、ファン心理の何たるかについても、本当のところはまったく分かっていないという点でも、両氏は共通しているといえそうです。というよりも、昨年の騒動からしても、球界首脳陣全体に共通しているというべきでしょう。

さらにつづく。

(3)恩を仇で返す楽天 10/18

当初本号では、衆議院選挙結果の分析を中心に書く予定でしたが、村上ファンドと楽天の動きに遭遇し、看過できぬとの思いから、しばらくはこちらに焦点を当てて書くことにいたしました。タイトルも一つのタイトルに収めるには少々無理がありますので、それぞれ独立したタイトルをつけましたが、内容的には続きものとして書くつもりです。そこで前回のつづきです。

10/15以降の動きから、まず楽天に狙いを定めます。三木谷氏ではない楽天の幹部が、たまたま買収した企業(TBS)が球団をもっていたというだけだ、との発言をしているのを新聞で読み唖然としました。野球協約違反をつかれたことへの反論だろうと思いますが、なんという無責任さ。現在の楽天は楽天球団を所有する以前に比べると、その社会的価値はもとより、市場価値も格段に上がっているのは間違いありません。にもかかわらず、その球界に対して、楽天経営陣は恩を仇で返して平然としています。

昨年、ライブドアと楽天との間の球団争奪戦に対し、当初球界首脳陣は激しい拒否反応を起こしていました。一言でいえば、実態定かならぬIT業界など信用ならぬという不信感ゆえにです。その上既得権益死守との思いも強く、球界首脳陣は当初の目論みどおりに1リーグ制を強引に押し進めようとしました。しかし、ファンや世論の激しい批判や選手会のスト決行などもあり、2リーグ制が維持されることになりました。消されるはずであった球団は楽天球団として東北の地に誕生。

楽天首脳陣はまだ1年も経たないというのに、以上のような楽天球団誕生までのいきさつを忘れたのでしょうか。楽天球団誕生までに受けた日本中の支援、シリーズ開始から今日まで応援しつづけた東北のファンや日本中の野球ファンに対して、楽天経営陣は感謝の「か」の字も感じてはいない。それどころか、日本中の支援や好意を裏切って、まったく恥じるところがありません。現在の楽天首脳陣の対応を見るにつけ、昨年の騒動渦中にみせた、プロ野球機構首脳陣の、IT業界に対する不信の念だけは当たり過ぎるほど当っているといわざるをえません。

事実、今回の買収騒動は、IT業界の実態の空虚さを如実に示しています。三木谷氏の買収の動機は、TBSのコンテンツが欲しい!! からだとのこと。今を時めくIT業界の「雄」が口にするセリフなのかと、呆れ果てて口が塞がらない。さらにいわく、TBSの傘下に入ってもいいとまで言い出す始末。今回の楽天の買収騒動は、日本のIT業界の空虚さを晒して余りあるといわざるをえません。この空虚さと、楽天首脳陣のモラルの低さとは表裏の関係にあり。

ライブドアにしても楽天にしても、既存のメディアにそのまま寄りかかって「IT事業」を拡大しようと考えています。なぜ自ら新しいコンテンツを創出しようと考えないのか。1000億円近い資金を買収に投じるよりも、自ら新しいコンテンツを創出する方がはるかに安上がりのはず。1000分の1以下の資金があれば十分可能だと思われますが、それを発想するだけの才能がないということなのでしょう。しかし今時のテレビ番組を、インターネットでも見ようという物好きがいるのでしょうか。それよりも、直接通信社と提携して、テレビには不可能なニュースの配信に工夫を凝らすとか、金のかからぬニュー・コンテンツはいくらでも作れるはず。

しかしいくらレクチャーしても、こちらには1銭のお金も入ってこないので再び批判に戻りますが、楽天の最大の狙いは、球界再編にありと思われます。メディアの再編などといっても、ライブドアの堀江貴文氏の口まねをして、放送とネットの融合というだけでそれ以上の知恵もアイディアもない三木谷楽天には不可能なこと。それよりも、楽天首脳陣のお役目は、一企業が複数の球団をもつという状況を作り出すことにあり。今年のプロ野球は昨年の騒動とはうってかわって、セパ交流試合も盛況裏のうちに行われ、2リーグ制が良好に推移しそうな気配ですが、その球界を引っ掻きまわすことが最大の狙いです。いうまでもなく、楽天単独の動きではなく、球界支配を狙う黒幕に誘導されてのこと。

さらにつづく。

盗難届 10/22

本レポート(4)を発信する前に、盗難届を公開します。文化犯罪始まって以来、原稿などの頭脳産物のみならず、生活必需品までもが盗難にあっていることは、今年の年賀の挨拶で報告しております。他にもありますが、年賀の挨拶で代表させておりました。しかし最近、看過できぬ盗難に気づき、盗難届として公開することにしました。特許出願(4)でお知らせした和解済みの裁判のうち、控訴後和解した裁判資料のファイル一式が忽然と姿を消して、どこにも見当たりません。三原時代に発生した負債処理をめぐり、損害賠償請求事件として提訴されたものですが、1審判決を不服として当社が控訴したものです。和解までに重ねた陳述書や証拠として提出した資料はかなりの量になり、4センチほどの厚みがありました。そのファイルですので、あればすぐにも目につきます。

特許出願(4)でも書いておりますが、3つの裁判はすべてわたし一人で進めました。答弁書や準備書面や訴状は、すべて自分で手書きしたものを提出しています。なりすまし犯に利用されないように、間違いなくわたし久本福子本人が書いたものであるということを明確にするためです。証拠類もすべて自分で準備しました。裁判進行中は、関係書類が盗まれないように細心の注意を払っていましたが、和解で決着がついて以降は、終わった裁判のファイルまでが盗難の対象になろうとは夢考えずに、保管が杜撰になっていたのは確かです。わずか2、3ヵ月前のことなのに、事務所に置いたのか、自分の部屋に置いたのかの記憶も曖昧なほど、注意が完全に弛んでいました。そのスキをつくようにして、厚いファイルの一式がなくなってしまったわけです。

盗難に気づいてからは、この裁判資料もなりすまし犯に利用されるのではないかと心配になり、迷いながらも公開することにしました。迷ったのは、当社の防犯対策に対して不信をもたれるのではないかとの心配があったからです。しかし、この文化犯罪は、通常の防犯対策ではとうてい対応できぬものであり、誰にも想像もできぬ犯罪が現に起こっていることを広くお知らせすべきであると考え、公開した次第です。

公開ついでにもう1点つけ加えます。長男久本一魔の卒業証書の画像も偽造されて使われいました。長男の作品を紹介する中で、本人の経歴を証するためにわたしが公開したのですが、立命館大学から、卒業証書が偽造されているので、画像を削除してほしいとの連絡がありました。お札ですら簡単に偽造される時代です。まことに迂闊でした。

■追記10/23 なお1審で和解した裁判の資料は、一つのファイルにまとめずに分散しておいていたせいか、無事に残っています。こちらすぐに和解に入ったので、裁判資料の分量も少なかったのですが、整理もせずに放置していたがゆえに無事だったというわけです。社内でも自宅でも、何がどこにあるのかすぐ分かるように整理しすぎるとなくなるおそれがあるので、わざと乱雑にしたままにしているのですが、終わった裁判資料までもが狙われているとは夢想だにしませんでした。こんな防犯対策を講じざるをえないとは異様も異様ですが、通常の防犯対策では役に立たないのでやむをえません。この異様さを許しているのは、他人のものを盗んでも犯罪にはならないという、文化犯罪者集団特有の開き直りの論理です。

(4)「資本」による資本の毀損 10/22

仁義をわきまえぬ楽天の身勝手な覇権手法は、すんなりとは目的を達することは困難な状況が生まれつつあります。単純かつ純粋な野球ファンにとっては、昨年の騒動以上の怒りを覚えずにはおれぬ事態です。今回の楽天の買収騒動は昨年の騒動と根は同じではありますが、両者には決定的な違いがあります。楽天球団は初年度にして黒字を計上!このニュースを知ったときは、わたしは素直に楽天の経営手腕に拍手を送りました。しかしにもかかわらず、球界に混乱を巻き起こすような今回の買収騒動。昨年の騒動の発端は球団の赤字でした。いずれも球界覇権が根にあるとはいえ、この違いは重大です。楽天は、阪神電鉄を買収した村上ファンドと連動して強引なTBS買収を強行することで、球界再編への布石を打とうとしたことは明らかです。

昨年のホークス、今年のタイガース。いずれも優良球団です。優良球団を好き勝手にかき回すことができれば、球界を牛耳ることも簡単です。昨年楽天は、ライブドアと球団所有者としての資格を競い、競り勝って球団を手にしました。資格審査のためにも多くの関係者に多大な労力をかけさせ、数度に渡る審査の結果、楽天が選ばれました。何のための資格審査であり、ライブドアとの競争だったのか。1年も経たぬうちに平然と協約違反。違反をつかれると、横浜球団売却を言い出す始末。村上氏も、名目上は経営的判断として球団売却をTBSに提案していましたが、楽天自らが協約違反を免れるためにTBSに横浜球団売却を要求するなどとは、強盗の居直りにも似た図々しさ。
売るなら楽天を売れ! といいたい。

今年の球界は、どこかから巨額の資金が流れ込んでくるらしい、村上ファンドと楽天にかき回されるようとしていますが、とうてい成功するとは思えません。村上ファンドは当然ながら、楽天も金融業が専門らしく、巨額資金を動かす才能には長けているようです。しかしこれらの資金はいずれも村上氏や三木谷氏個人の資金ではなく、利益を生み出し、資金提供者にリターンすることが求められています。しかしどれほど有能は投資ファンドであっても、ありとあらゆる業種の経営に精通している人などいるはずはありません。ある業界の投資に成功しても、その成功例が他業種にも同様に有効だとはかぎりません。

村上氏や三木谷氏の今回の買収騒動は、球界という特殊な業界の経営のあり方についてはまったく無知であるということを自ら暴露したようなもの。その根本原因は、本レポート「(2)村上ファンドと楽天」にも書いたように、この業界のお客であるファンの心理をまったく知らないことに由来します。阪神球団の株式上場の是非を問うためにファン投票を実施せよ、などというバカなことを平然と要求する村上氏は、球団経営に関しては無知であることを晒しています。というよりも、球団上場を強行する口実を得ることが狙いでしょう。ファン投票そのものがバカバカしくも無意味な提案ですが(驚いたことには毎日新聞は社説で村上氏の球団上場を応援!)、いうまでもなく、ファン投票が公正に実施されるという保証はどこにもありません。

公正で健全な球界運営を考えているのらば、村上氏や三木谷氏のような、買収騒動を起こせるはずはありません。彼らにとって、健全な球界の発展などは夢頭にはなく、瞬間的な金儲けとあくなき覇権への野望のみです。こんな連中に球界が牛耳られるならば、球界の行きつく先は衰退あるのみです。つまり彼らは、企業価値を損ねるような判断しかできぬゆえをもって、投資ファンド、株主としても失格だということです。

さらに問題なのは、今回の騒動は、資本主義経済システムを最大限利用しながら、彼らにとっても利益の源泉である資本主義経済システムそのものを、毀損するおそれのある投資行動をくり返していることです。彼らの動きを放置するならば、「資本」を使った独裁化が進む危険性すらあるように思われます。株式は資本主義経済を象徴するものだと誰もが信じて疑いませんが、9.11テロ後は、「資本」の流れを意図的に悪用した市場の独裁化も起こりうる状況だと思います。「資本」を使った独裁化など先例はありませんが、行き着く先はこれまでの独裁体制と同じ、その末路は歴史がくり返し示しているとおりです。

(5)韓国・中国・プロ野球 10/26

<韓国>

楽天のTBS買収騒動がきっかけに、1企業が複数球団を持つことを禁じた、野球協約改正の声までが出始めています。しかし野球協約が改正されるならば、プロ野球の公正さを保つ最後の砦までもが破壊されてしまいます。目下の球界の動きに対してわたしが感じている最大の危惧は、公正なルールに支えられたスポーツであるはずのプロ野球が、事前の演出でショーとしての面白さを売り物にしている、プロレスのようなものに変えられようとしつつあることです。今年のロッテの優勝はそれを象徴しています。

今年も時間があればソフトバンクホークスの試合をラジオで聴いておりました。ラジオで聴いたのは、全試合のうちの一部にすぎませんが、にもかかわらず、審判の判定に非常に偏りがあると感じざるをえない試合が度々ありました。ホークスにとっては理不尽にも、不利な判定が出され場面がしばしば。ホークス側はめったに抗議はしませんが、抗議をしても覆ることはありません。ところが、判定に対し相手側チームから抗議を受けると、科学的根拠がないにもかかわらず、簡単に相手チーム有利の判定に覆されてしまいます。その多くはロッテ相手の時です。

例えばストライクゾーンの判定で、審判がロッテ有利な判定をくり返すと、投手の投球は甘くならざるをえません。甘くなると打たれてしまう。また、審判が味方をするチームの打者は安心してフォアボールを選べます。こうした審判の不公正な判定は、各場面の試合の行方を左右するだけではなく、選手に大きな心理的ダメージを与え、その悪影響は持続するおそれさえあります。目下進行中の日本シリーズにも、同様の疑いを感じざるをえない場面が多々ありました。

プロ野球の審判の組織がどうなっているのかは知りませんが、審判組織にも堤清二氏を頂点とする、文化犯罪者集団の手が伸びているのは間違いありません。この集団は「韓国」売りに異様なほど力を注いでいます。NHKが大功労者であるらしいヨン様ブームをあおり立てたのも、NHKに介入しつづけてきた堤清二氏が黒幕のはず。しかし韓国ブームは芸能界だけではありません。あらゆる分野に深く静かに浸透しつづけています。新聞も例外ではありません。

今年5月に、衆議院補選が行われた時のことです。補選が告示された前後の頃、西日本新聞(3,4ヵ月前から西日本新聞は朝日新聞ともども購読を停止していますので、最近の同紙の傾向については不明)の長年つづいている人気連載コラム二つ(いずれも50回連載の長期コラム)に、韓国関係の連載が始まりました。一つは文化欄のコラムですが、日替わりの記事にも韓国関連記事が載るという異様さ。どこの国の新聞なのかと疑わざるをえないほどの、韓国オンパレード。初めの内は、選挙が近づいているのに何で韓国なのかと、不可解さが募るばかり。しかしその後週刊誌の新聞広告に、民主党候補が在日韓国人であることが出ているのを見て疑問は氷解しました。いうまでもなく、民主党候補の側面支援です。

選挙後だったと思いますが、小泉首相と韓国の盧大統領との会談が鹿児島で開催されましたが、会談開催地の鹿児島では韓国映画や韓国物産展が賑々しく開催されました。日本の業者は皆無、すべて韓国観光局?(韓国の公の観光関連の役所)の段取りで開かれた模様。何だか釈然としない光景です。わたしが気になるのはこうした地方の光景だけではありません。

日本の政治の行方に、適確な指針を提示する責任を負っているはずの政治学の分野でも、在日韓国人の学者が急浮上し、今や日本の政治学界の中心に据わっている感じさえします。東大のカン尚中教授であり、もう一人は立教大学の李鐘元教授です。出版、新聞などマスコミでは、右を見ても左を見てもカン氏か李氏。このお二人以外に政治学者はいないのか思わざるをいないほどの偏重ぶりです。その陰で、早稲田大の50代の政治学者が若くして急死しています。マスコミに登場することがなく、未見の名前で思い出せませんが、かなりの巻数の著作集が出ていますので、学者としては優秀だったと思われます。死後に出たのか、刊行渦中に急死されたのか、詳細は不明ですが。

また立教大学教授で有名な政治学者であった高畠通敏氏も、昨年7月頃に急死しています(死因は肝臓がん)。大事に保存していた新聞記事がどこにも見当たらず、ネットで検索したのですが、ネットでも死亡記事にはなかなか行き当らず、上記リンクは1998年12月16日付の新潟日報web版ですが、同氏の死亡に関しては記憶だけで書くことにします。死後間もなく朝日新聞に出た追悼記事によると、高畠氏は、田中角栄研究のために新潟に移住中に急死されたらしい。しかし存命中はもとより、死後も同氏の角栄研究は未だ世に出ていません。

立教大学は西武の拠点池袋にありますが、わたしは拙著の販売依頼のために何度か立教大にも足を運んでいます。何となく敷居の高い感じのあった同大学ですが、比較的すんなりと学内売店での販売が許可されました。同じ池袋にありながら、一般書店であるはずのリブロとは大違い。しかし他の大学同様、清二氏は同大学攻略の機会を虎視眈々と狙っていたのは間違いありません。学内外に影響力のあった高畠氏急死の2,3ヵ月後、それまでまったく福岡には縁のなかった立教大学が、初めて福岡で出張講座を開催しています。いうまでもなく背後に清二氏あり。

やや高齢ゆえに死去もやむなしと思いつつも、他にも有名な政治学者の急死が相次ぎました。その空白に一気に浮上したのが、在日韓国人政治学者のお二人です。これまで在日韓国人の政治学者が一人も出なかったことの方が異常だ、政治的差別の最たるものだとの指摘も出てくるかもしれませんが、まるでお二人が日本の政治学界を代表しているかのような近年のマスコミの偏重ぶりは、やはり異常だといわざるをえません。芸能界の韓流ブーム、球界の審判によるロッテ優遇の不公正などといった、他分野でも進行しつつある韓国優位を画策する動きと連動したものであることはいうまでもありません。

<中国>

中国も同様です。実は1989年に『日本軍は中国で何をしたのか』(自費出版本ゆえ当サイトには収録していませんが、A5判175頁、1905円+税)という写真集が当社から刊行されています。自費出版本ですが、よく売れるらしく2001年には4刷目が出版されています。著者の大賀和男氏は毎日新聞の記者ですが、1987年8月に中国の戦跡をめぐり、日本軍の侵略の実態を学ぶ「平和の旅」に行かれた際に収集した写真や資料をまとめたものらしいのですが、衝撃的な写真が満載されています。日本軍が中国を侵略し、中国人民に対して相当残酷な悪行をくり返したのは事実ですが、本書に収録されている写真を見ながら、これらの写真はすべて、ほんとうに日本軍の犠牲者ばかりなのかという、素朴な疑問が湧いてきました。

日本軍に荒らされた各地に記念館が立ち、日本軍の残虐忘れまじとの人民教育の場として使われているらしい。反日教育というか、反日本軍国主義教育ためと称して、この種の記念碑や記念館が80年代に、中国全土に次々と建設されたということらしいのですが、時期としてはいわゆる4人組が完全に力を失い、毛沢東主義一本による独裁体制が崩壊した後のことです。毛沢東体制が堅固な時代は、日本をはじめ世界の社会主義者の熱烈な尊崇を受けていた中国ですが、国内の真相には外部のものは誰一人触れることは出来ない巨大な壁に覆われていました。にもかかわらず、飢饉に襲われ、1村全体が全滅したらしいなどという深刻な事態に立ち至ると、巨大な壁をもってしても外部への流出を防ぐことは難しく、かすかにそうしたニュースも伝わってきました。

独裁体制特有の閉ざされた中での権力闘争の結果、粛正された犠牲者も決して少なくはなかったはずですが、それ以上にやはり、飢饉や社会主義経済政策の失敗による餓死者の数の方が、はるかに圧倒していたはずです。それらの膨大な数の犠牲者は、当時の中国の政治状況から推測するならば、一人、一人その名をもって弔われたのかどうかははなはだ疑問だといわざるをえません。当時の犠牲者、死者たちはどこに眠っているのでしょうか。

わたしは当社刊の写真集を先日初めて手にとってめくってみたのですが、瞬時に、写真の死者たちの骸は、新生中国での死者たちの骸ではないのかとの疑いに襲われしまいました。また子供の死体が山積みされた写真も掲載されていますが、子供が仮に集団で虐殺されたとするならば、子供が集団で生活しているか集まっている場所、つまり学校かそれに類する場所を襲撃する以外には起こりえません。しかし当時の中国では、一般民衆にとってはそうした施設はありませんでした。ということは、無惨な子供の死体の山は、中国で大勢の子供たちが集まる場所、すなわち学校が建設されて以降に起こった事件の結果であると断定せざるをえません。

つまり革命後の、新生中国で起こった出来事だということです。現在にまでつづく中国の共産党政権にとって、共産党政権の失政で死を余儀なくされた、膨大な数の死者人民を、すべて日本軍の犠牲者だとして事実を隠蔽しつづけることは、政権維持のためには至上命令となっているのはいうまでもないでしょう。情報の流通路が拡大しはじめる、毛沢東一派による独裁体制崩壊後に、反日本軍国衆主義教育のためと称して、中国全土に戦跡記念館建設が急速に進められたという事実は、わたしの推測を傍証するものだと思われます。

わたしはこれまでこの種の本はほとんど興味がもてず取り立てて手にとることもなかったのですが、再び靖国問題が再燃化しはじめたので、問題は一体どこにあるのかと、まさに「日本軍は中国で何をしたのか」と気になりふと手に取ったのですが、瞬時にして積年の疑問が氷解しました。積年の疑問とは、中国はなぜあれほど「靖国問題」にこだわるのかということです。侵略された側の苦痛は永遠につづくとしても、やはり異常だとの印象はぬぐえませんでした。

もちろん日本軍の侵略への怒りは今もなおあるかもしれませんが、おそらく隠された真相は、共産党政権下で、飢餓や飢饉で死亡した膨大な数の死者の存在を隠蔽することにあるのではないかと推測しています。すべてが日本軍の犠牲者だとなれば、共産党政権に向かうはずの批判がすべて日本の軍国主義者に向かうわけです。「靖国」は中国にとっては、日本の軍国主義を象徴するものであり、日本の政治家がその抗議に頭を下げつづけているかぎり、中国の共産党政権は、自らの失政の犠牲者となった膨大な数の人民の死を、隠蔽しつづけることが可能となるわけです。

しかし問題は複雑に絡み合っています。事態を複雑にしているのは、堤清二氏が先導している文化犯罪者集団が、韓国や中国の政権を利用しつつ、日本の解体を目論でいるからです。市町村合併による異様な名称の誕生やひらかな名の誕生とその異様な増加も、日本解体の一環であり、もっと深刻に論議されるべきです。名門大学の一部ですら、日本解体の一翼を担わされ、その役割をすでに実践ています。天皇の後継問題も、こうした攻撃とは無縁ではありません。慎重に論議を重ねるべきでしよう。

あまりにも長くなりすぎましたので、一旦、ここで終わります。自分でいうしかありませんが、わたしの「葦レポート」は誰も書かない、誰にも書けないようなものばかりだとひそかに自負していますが、いくら書いても1銭もお金が入ってきません。広告がつけば、立派に「有料紙」だともいえるのですが、どこからも広告掲載の依頼もなし。このレポートに広告を載せるのはちょっと勇気がいるのかもしれませんが、このレポートは日本にとっても世界にとっても決してマイナスにはならないはずだと信じていますが、わたしの書くものが1銭のお金にならないというのは、どう考えても理不尽きわまりません。

リンクを以下のとおり、2つ追加します。(10/28)

高畠通敏1  高畠康真 
高畠通敏2(12/3追加)

(6)球界の異変と地名の異変 10/28

今朝、高畠通敏でネット検索したところ、トップに詳細なリンク先が並んでいました。訃報記事も同様です。そこであらたにリンクを貼りました。同姓で、同じ頃に同じ肝臓がんで急死された高畠康真にもリンクを貼りました。一方は政治学、一方はプロ野球。同姓であるという以外、まったく何のつながりもないはずですが、両氏の死は、現下の日本の状況を象徴しています。ナチズムにかぎりませんが、独裁体制の維持強化にはスポーツの効用は欠かせません。目下の日本では、プロ野球が、独裁的な体制づくりに利用されようとしています。

パ・リーグのプレーオフで非常に目についたのが、ロッテファンを賛美する異様な声、声、声。どうやら強力な応援「指揮者」がいるらしい。アナウンサー(聴いていたのはRKBだったと思いますが)は応援の仕方まで採点して、応援の競争まで呷っていました。応援ぐらい、好き勝手にやらせろ! アホかといいたくなりますが、応援まで競争させれらますと、ロッテ以外の他球団にも、ファンの応援を統率する仕組みが生まれてくるのは必然です。ロッテがファンを26人目の選手だとまでいって、ファンの位置を急浮上させ、マスコミが盲目的にそのファン賛美を賛美! さらにそこに、村上ファンドが阪神球団上場でファン投票を要求。当然、ここでもファンの位置は急上昇。

ファシズムは大衆を扇動しつつその力を強め、勢力を拡大していきます。歴史の教えるところですが、熱しやすく、その数膨大なプロ野球ファンの統率が可能になれば、大衆扇動の強力な武器になりえます。昨年からつづく球界の異様な動きは、当初わたしが考えていた以上の深刻な問題を孕んでいます。野球を知らない連中が球界を牛耳り、野球をめちゃめちゃにしようとしているのは、投手をさらに拘束しようとの動きまでが出ていることにも表れています。

数あるスポーツの中で、野球が一番、審判の判定の正否が外からは分かりにくいスポーツではないかと思います。規則が増えれば、審判の恣意的な判定の可能性は高まるばかり。目下の日本のプロ野球は、審判員の技術を磨き、公正な精神を涵養すべき状況におかれているにもかかわらず、規則だけを増やすとは! 問題は選手の側にあるのではなく、審判員自身にあるというのに。どうしてこんなことを考えつくのか、うんざりします。アホらしくて、これからはもう野球など応援する気にはならない。一ファンとしての率直な気持ちです。

しかし最大の問題は、こうした異様な動きは球界だけのことではないというところにあります。最近感じる無気味なことの一つは、今回の市町村合併で異様な名前の地名が数多く誕生していることと、その異様さをほとんどマスコミが指摘しようとしないことです。佐賀に「湯陶里市」が誕生しそうな時は、さすがに多少は話題になりましたが、その後はぷっつり途絶えています。ひらかな名が異様に増えていることに、誰も何も感じないのでしょうか。今回の市町村合併後の新しい地名の特徴は、その土地土地の歴史を体現していた地名を消すことを、きわめて意図的に狙ってつけられたものだということです。

歴史を体現していた地名の消し方には、大きく分けて次ぎの3つの方法があります。
  1 文字そのもが意味をもっている漢字を使わずに、ひらかな表記とする。例 福岡県浮羽郡→福岡県うきは市  
  2 元の地名とはまったく無縁のファンタジックな名前をつける。
例 埼玉県入間郡→埼玉県ふじみ野市 
  3 元の地名とはまったく無縁の、意味不明な人造語をつける。
例 兵庫県の3町か4町が合併→宍粟(しそう)市

歴史を消すために一番簡単なのが、意味をもたない表音文字のはらかな化です。つい最近目にしたものでは、ひたちなか市(日立中市)までもがひらかな化されているのには驚きました。歴史の消去のみならず、子供の漢字力はもとより、大人の漢字力までもが減退しそうです。その一方では、商売になるからなのか、漢字検定は盛んに推奨されています。2の改名は、商品名とまったく同じレベルでの発想。イメージ優先。3はたまたま新聞のニュースで目にした新地名ですが、これは逆にルビなしには読めません。しかも合併した元の3町だったか、4町だったかのどこにも使われていない文字ばかりの組み合せ。読みにくいだけではなく、異様な字面、異様な語感のする文字の組み合せに、神経がヤスリにかけられたような感じを受け、一目見て以来、忘れられずにいます。どんな町なのかまったく知りませんが(ツチノコ騒動の話題で取り上げられていましたが、それ以外についてはまったく不明。11/4)、この地名は、日本人のまともな言語感覚からは、絶対に生まれえないものだと断言しておきます。

佐賀の「湯陶里市」が議会と住民の反対を受け、否決されたのはせめてもの救いですが、今回の市町村合併では、かつての市町村合併とは異質な形で、日本中の地名から非常に数多くの歴史が消し去られました。特にひらかな化の増大は、日本解体が進行しつつあることを象徴しています。文字表記を使った歴史の消去という、やや高度な手を使っているのは、文化ファシズム集団が、今回の地名改編に介入しているからです。そしてこの日本解体へのプロセスとプロ野球解体への動きとは、一つの根でつながっています。

 

(7)「靖国問題」と中国・韓国 11/4

大学と統一教会

わたしのこのレポートは、韓国や中国に対する偏見が前提になっているのではないかとの批判を受けるおそれもあるかもしれませんが、本レポートの内容はわたしの実体験や実見聞をもとに書いています。わたしが葦書房の代表に就任して(2002年10月1日)以来、当社は韓国関係者の方々からの様々な働きかけを頻々と受けています。韓国のテレビ局、出版社、学者、学生、留学生等々、様々ですが、当社刊の刊行物に関しての問い合わせが主なものです。名乗られた企業名や肩書などが事実なのかどうかは不明ですが、初めのうちは事情が分からぬまま、こちらの仕事を一時中断してでも、問い合わせの内様に対応してきましたが、同じようなことをくり返し体験する内に、空注文ならぬ、空問い合わせであることに気づくに至りました。

ちょっとした騒動を起こし、そこに当社を巻き込み、韓国関係者並びに彼らとの同盟軍日本の文化ファシズム集団が、当社へ介入しようとしていることに気づくに至ったということです。連中の魂胆に気づいてからは、同様の働きかけを受けても頭から相手にしないことにし、少しは静かになったのですが、仕掛けが大掛かりなものになってきて、海の向こうから工作員を送ってきたこともあります。この派遣費用は日本の税金を使っていることは明らかですが、この種の働きかけにはすべて韓国人が関与しています。しかし韓国人が単独で地方出版社である当社の名前など知るはずはなく、日本の文化犯罪者の誘導をうけて動いているのは明らかです。

しばらく韓国から働きかけはなかったのですが、2,3ヵ月前、久々にアクセスがありました。未見の韓国の出版社と出版エイジェンシーからのものでした。当社の刊行物の韓国での出版に関する申し入れです。いかにも厳正そうな詳細な契約書が送られてきたのですが、一読して即、罠だと分かるような内容でした。一読して即判断できたのは、3回も裁判をしたお陰で、法的条文もポイントを押さえて読めるようになったからだと思います。お陰で危うく難を逃れることができたという次第です。

しかしわたしは、葦書房で仕事をはじめる前から韓国関係者からの接触を受けていました。久本三多の死後間もなくの頃からです。以前わたしが新聞や雑誌で韓国現代文学の紹介をしたり、日韓文学シンポジウムを企画したりしていたからだと思いますが、それ以上に葦書房をめぐる利権が絡んでいるのだろうと思います。しかし有名人でもないわたしや小さな地方出版社にすぎない当社が、韓国関係者にマークされるなどということは、わたしや当社の権利を侵害しつづけている、日本の文化犯罪者どもの誘導がなければ起こり得ない事態です。

ここで、これまで気になりながらも一度も触れたことのない、統一教会(リンク先を変えました。11/5)のことを取り上げてみたいと思います。統一教会の名前がはじめて日本中に知れ渡ったのは、悪どい霊感商法が大問題になったときのことでした。その後は異様な「強制」結婚が週刊誌などを賑わせていましたが、オウム事件後は統一教会がマスコミを騒がせることもほとんどなく、5,6年前にアメリカの日刊紙ワシントンタイムズ紙(昨日は間違って「ワシントンポスト」と書いておりました。訂正します。11/5)を買収して話題になったぐらいで、その後は世間的には大きな騒ぎもなく、今に至っています。

ただ、わたしが純真女子短大(短大を辞めて以来初めてのぞいたみたのですが、思わずギョ、ギョ、ギョ! 短大のホームページだとは思えぬ作りに変わっていました。リンクを貼ってみました。11/5)に務めていた頃、統一教会の噂を耳にしたことがありました。当時わたしが務めていた同短大の国文科は現在では廃止され、その代わりなのかどうか、コミュニケーション学科という奇妙な学科が誕生しています。当時国文学科内の1コースであったアナウンサーコースが基になっているのだろうと思いますが、廃止される前の、当時の国文学科内で聞いた噂です。福岡のある大学が統一教会に乗っ取られたか、乗っ取られそうだ、という噂でした。当時は堤清二氏や文化犯罪者集団の存在など無想だにしていない頃でしたので、統一教会単独の事件だろうと思っていました。

しかしその後、福岡の名門大学をはじめ各地の大学が堤清二氏の攻略を受けているのを見るにつけ、清二氏と統一教会とがひそかに裏で連携しているのではないかと推測するに至りました。大学攻略のみならず、清二氏の日本攻略、世界攻略は巨大な組織力を背景にしないと不可能だからです。一時は創価学会との連携を疑ったこともありますが、清二氏と創価学会との連携は、現時点ではありえないと判断しています。大学や新聞社に手を延ばす統一教会と、清二氏の覇権への動きは一致しています。

これは改編後の九州大学の案内です。「学府」「研究院」が何を意味するのか理解するまではかなりの時間がかかりました。どうやら大学院を意味するらしい。九大六本松校舎のかつての教養部が、「比較社会文化学府」「比較社会文化研究院」「言語文化研究院」などの新組織に改編されたのですが、何度見ても名前が覚えられず、どうしてこんな分かりにくい名称をつけたのか、腹立たしくも、不可解に思っていました。しかし最近、アジア、特に韓国、中国との連携強化を目指している九大は、先々では、中国や韓国の大学との合体までをも、ひそかに考えているのではないかと思うに至りました。日本人には見なれぬゆえに覚えにくい九大の改編による新名称は、北京大学の日本語訳名称に重なります。

合体した場合、どちらがどちらを呑むこむのか、大が小を呑みこむのが自然の摂理でしょう。中国は欧米の名門企業を次々と呑みこみつつありますが、大学まで呑みこむことは難しいと思われます。しかし日本の大学ならば、不可能ではないはずです。九大は差し詰めその第一候補者だと思われます。かつて数々あった外国語学部が言語文化研究院(同研究院のホームページは、古いままで更新されていません。定年で退職した教授の名前とそのホームページがそのまま残されています。不可解です。他院については不明。11/5)になっていますが、今年の春の学期初めに研究院長(かつての学部長)に、40代前半の元ユネスコの職員であった人物が、突然教授に採用されると同時に研究院長に就任しています。新聞の紹介欄には直前まで国連の職員であったことが記載されいただけで、どこかの大学で教えていたような形跡も記されておらず、もちろん研究論文なども何一つ記載されていませんでした。こんな人物が、日本を代表する国立大学独立法人の一つの、大学院の長になっています。大学院の質が激落しているとはいえ、暗い気分に陥ります。

ところで、九大の覚えにくい新名称が、早大でも使われるらしいということを新聞で目にして、かねてから文化犯罪者集団の標的になっている早大ゆえにいよいよ九大なみに改編させられていくのかと思っていましたが、早大のホームページを見たところ、今のところは従来どおりの名称を踏襲しておりほっとしています。しかし早大の施設案内には学内で大騒動を起こしたホテルは、やはり見当たりません。ロッテに売却したのかどうか。ロッテはいうまでもなく、韓国を代表する有名企業の一つであり、ロッテ球団の親会社です。因に今年は日韓友情年と称する記念の年だそうです。ロッテの日本一は日韓双方の関係者にとっては、お祭りを盛り上げる起爆剤として予定されていたのではないかと勘ぐりたくなるほどです。

昨年のパ・リーグプレーオフ後、プレーオフの方法を手直しする案が機構側から提案されたらしいのですが、ある球団の反対に遭い、4.5や5ゲームの大差をつけてリーグ1位の座を獲得しても、2位球団とほとんど同一地点からスタートさせるという、アンフェアな方法で今年もプレーオフが実施されました。そしてロッテの優勝。短期決戦ならどんな手を使うことも可能だということが、阪神相手にも証明されました。阪神側が試合を放棄したのか、放棄したかに思えるような状況に追いやられたのかは、今は不問といたしますが。もう2度とプロ野球など見たくもなければ、聞きたくもないと思わせられるほどのひどい試合でした。野球関連の最後の話として、高校野球関連本『球児にかけた夢』をご紹介します。高校野球までもが、球場外で勝敗の結果が左右されるという異常な事態に見舞われていますが、優秀な指導者の一人である著者の福田精一氏も異変に襲われています。

「靖国問題」

プロ野球についてはもう2度と言及しないつもりですが、今ではプロ野球も大学も企業も同じレベルで利権の標的にされています。外国との間の資源争奪や覇権争いは、古代の大昔からありました。しかし現在進行中の事態は、人類の歴史にとってはまったく未経験の事態です。武器を使わぬ、文化的侵略が着々と進行中。中国、韓国の「靖国問題」も、かつてとは異質な段階に進んでおり、日本解体の強力な武器の一つにまでなっています。中国、韓国の小泉首相の靖国参拝抗議には今さら驚きませんが、韓国外相が、国立の戦没者追悼施設の調査費用を予算に計上せよとまで要求にするに至っては唖然とせざるをえませんでした。内政干渉以前のレベルの話で、一国の外相が口にするようなことなのかと呆れ果てたという次第。

即座に日本の与野党の政治家までもが、飛びつくようにして施設建設のための議員連盟を結成したらしい。無宗教の戦没者追悼施設をつくるのはいいとしても、新施設にA級戦犯は祀るのか、除外するのか。中国、韓国の抗議が額面どおりであるのならば、A級戦犯の名も同じ施設に刻むことになると「靖国問題」は延々とつづくことになります。またA級戦犯だけを除外するとなれば、国立の戦没者追悼施設としては、許されぬ差別を死者に対して行うことになります。また遺族も他の戦没者遺族とは差別されることになるばかりか、その差別は子々孫々、施設のつづくかぎり永続することになる。これはこれで許されざる、ひどい話です。

誰を祀れ、かれを祀ってはいかんなどということを、延々と要求しつづけている例は、世界中どこをさがしても「靖国問題」以外に例はありません。異常例です。異常例であることを強調した上で中国、韓国に尋ねてみたいのですが、彼らは新施設にA級戦犯は祀るなとでもいうつもりなのだろうか。中国、韓国の抗議と要求が額面どおりであるのならば、新施設を建設しても簡単に問題が解決するはずはありません。にもかかわらず、新施設建設が問題解決の唯一の方法であるかのような幻想がばらまかれているのは、戦没者追悼問題を利用して、日本解体をさらに加速させようとの目論みを覆い隠すためのものです。

因に日本と対比して「靖国」批判勢力が盛んにほめそやし、もちあげてきたシュレーダー政権時代のドイツでは、キリスト教会の閉鎖が相次ぎ、教会が激減したらしい。絶大な人気と実力を誇っていたコール元首相の、完全失墜を図ったものでもあったと思われますが、イスラム原理主義者の暴力的破壊とは異質な、陰微なキリスト教壊滅作戦が進められた結果です。教会が激減してもドイツの景気は回復せず、疲弊は進行する一方。シュレーダー政権交替の要因にもなったわけですが、加えて選挙後いつまでもつづく混乱。ドイツは目下、一種の無政府状態だともいえそうです。キリスト教社民党の女性党首にこの混乱を収拾する手腕もなさそうに思えるほどに、ドイツは何かが根本的に破壊されているようにも思われます。ドイツはいち早く、日本の文化ファシズム集団が乗り込んだ国の一つです。

最後に前回取り上げた『日本軍は中国で何をしたのか』について、若干補足しておきます。著者の大賀氏とわたしは年令はさほど離れていません。大賀氏は職業上、わたしが知っている程度のことはもちろん、それ以上に詳細なニュース、情報をたっぷりと入手しうる立場にあったはずですが、日本軍の犠牲者だといって、山積みされた子供の死体の写真を見せられても何の疑問も感じなかっtのだろうかと、あらためて不可解に思わざるをえません。他の骸骨の陳列に対しても同様です。「靖国問題」を長引かせているのは、断固とした決着を図ることを回避しつづけてきた日本の政治家の責任のみならず、事実を冷静に見ることを放棄してきた、マスコミの責任も大きい。

■追記11/8 公平を期すために、遅ればせながら創価学会関連ページにもリンクを貼りました。創価学会1 創価学会2(未完らしい)。改革断行をキャッチフレーズに、第3次小泉内閣が発足しましたが、留任した公明党の北側国交相に関して気になることを耳にしました。選挙後に放送された、NHKの「日曜討論」でのことです。民主党の鳩山幹事長が、官僚の天下り禁止法案施行後も、国交省の天下りは依然として多いと指摘していました。現在は、各省の大臣の許可がなければ官僚は関連企業への天下りは出来ないとのことですが、北側大臣は270人近く(確か267人だったと思います)もの官僚の天下りを許可したらしい。各省の中では最多だそうです。

公明党も改革を旗印に選挙を戦ってきたはずですが、これでは看板に偽りありといわざるをえません。国交省管轄企業で、想像を絶するような事故が頻発している時期に、大臣の権限により官業癒着を促進するような裁定がなされているとは信じがたいことですが、事実のようです。新聞などではまったく報道されていないようなので、これ以上の詳細は不明です。公明党は自民党よりは清廉であるというのが一般的なイメージだと思われますが、現在ではどうやら逆転しているらしい。ちょうど一昨日の新聞記事に、公明党では、これまで禁止されていた政治資金集めのパーティや政治献金も解禁したとのことです。金権政治といえば自民党の代名詞のようなものでしたが、今後は公明党がそのお株を奪いそうです。

(8)河村英文氏の死去 11/10

今年2月、河村英文氏(71才)が急死されました。急死ではありますが、昨年6月頃から肝臓で入院されていたとのことを、死去後しばらくしてお聞きしました。河村氏は当社とのおつき合いも古く、本来ならば、訃報を知った時点ですぐさま著書をご紹介しながら追悼すべきところですが、余りにも不自然すぎる「偶然」に強い抵抗を感じ、当サイトで取り上げることは控えてきました。しかし今後は野球については原則として触れないことにしましたので、その締めくくりに河村氏の急死について遅ればせながら触れることにしました。

1998年刊の『西鉄ライオンズ 伝説の野武士集団』は、現在もなおロングセラーをつづけておりますが、1983年刊の初版(『西鉄ライオンズ 最強球団の内幕』副題が変わっています)の新装版で、内容的に初版と同じです。20年以上も前に書かれた本が、今もなお読者を引き付けてやまないのは、西鉄ライオンズへの強い郷愁が背景にあるとはいえ、河村氏の文章の威力を物語るものだと思います。三多は野球そのものには興味はなかったのですが、河村さんの文章には惚れこんでいて、河村さんのエッセーを読むためにスポーツ新聞まで購読したほどです。

1991年4月には河村英文著『これでいいのかダイエー野球』も刊行していますが、本書刊行までには一騒動がありました。本書のオビに「実力以下の断トツ・ビリに泣いた昨シーズン、”地元球団”ダイエーホークスの再生を念じてあえて問う監督田淵の采配。」とあるように、当時の田淵監督批判が著者の本書執筆の動機であり、本書のテーマです。データ的には分かりませんが、世間に与えるイメージとしては、当時のホークスの負けっぷりは、今年の楽天以下だったように思います。それぐらいメタメタに負けていました。このドン底から這い上がるのは容易ではない。誰もがそう思ったはずです。

本書はそうした「実績」を背景に書かれ、出版されることになったのですが、実は当初、本書のタイトルは『これでいいのかダイエー野球』とは別のものでした。河村氏の激しい怒りを、そのまま表紙やカバーにまでぶつけたような露骨な罵倒語が使われていました。ところが、開幕後しばらくして、何とホークスが前年のイメージを振払うかのように勝ちはじめたではありませんか。ファンにとっては狂喜すべき変身ぶりですが、本書の刊行は、ちょうどその時期にぶち当ってしまいました。露骨な罵倒語をタイトルに置いた本書は、出すに出せない状況に見舞われました。

その頃のことです。三多が悲壮な様子で我が家に戻ってきました。ただ事ではない事態に襲われたことが、瞬時に伝わってくるような、異様な雰囲気でしたが、本人は一言も事情を口にはしません。物もいえないほどの衝撃を受けている様子がありありでしたが、河村さんの本の内容は事前に三多から知らされていましたので、異様な落ち込みの原因も、わたしには瞬時に伝わってきました。しかし、余りにもひどい落ち込みように、わたしもすぐには何もいえませんでした。わたしはもともと罵倒語をタイトルにつけるなどいうことには、非常な抵抗を感じていましたが、迂闊なことをいえば、さらに三多の神経を痛めつけることになりそうなので、その時は直接面と向かってはこの件には触れませんでした。あとで手紙を書いて会社に送りました。

批判をするにしても、ダイエー球団やファンを元気づけるような物にすべきであること。罵倒語のタイトルに象徴されるように、当初の本作りの方向は、河村氏の私的な感情が先行しすぎて、普通のファンの反発を食らうはずである。ダイエー球団に強くなってほしいという気持ちをアピールするような内容に変えるできだ。野球ファンは普通の本の読者とは違うということ。状況がどう変わろうとも、通用するような本作りを目指すべきだということなどを助言した内容です。それからしばらくして、タイトルが変えられた本書が刊行されました。売れ行きも上々だったようです。

本書で河村氏が展開している田淵批判が野球理論としても正しいものなのかどうかまでは、素人のわたしには分かりませんが、私的感情が先行しすぎているとはいえ、これだけ激しい批判を容赦なく敢行するような野球評論家は、おそらく空前絶後であろうと思います。河村氏は野球評論でも、文章同様、シャープな辛口批評で人気を博していましたが、この河村英文紹介ページを見ると、オリックスのコーチの後は野球評論家の仕事もしていなかったようです。

一方、昨年から聞きはじめたラジオの野球中継では、野球解説者のあまりのひどいしゃべり方に唖然とすることもしばしば。特に昨年のNHKの野球解説は若手を起用しているらしいのは、まあよしとしても、解説の内容以前に、公の場で話をする話し方も知らない様な人物ばかりが登場してきて唖然、呆然、愕然とさせられました。めったに聞かなかったのにもかかわらずの、悪確率の高さです。今年はさらに聞く機会は少なかったのですが、昨年よりはましなような感じでしたが。これは野球解説に限った問題ではありませんが、野球解説の場合は、アナウンサーともども、解説の仕方によっては、視聴者に試合を正しく伝えないという状況も生まれる可能性もありますので、重大問題です。野球選手ならば誰でも野球解説のプロ、プロの野球評論家になれるとはかぎりません。

この後につづけるのはいささかためらわれますが、河村氏の訃報と相前後して、池永正明氏の復権がマスコミ各社で華々しく報道されはじめ、正式復帰後は、復権祝賀会までもがくり返し開かれました。そして予定どおりなのかどうか、野球中継でも解説もされたらしい。どこの局かは確認していませんが。以上、事実として、あらためて指摘しておきます。

なお、『これでいいのかダイエー野球』(四六判・153頁・979円)はまだ在庫はあるのですが、なぜか当社の「目録2002年版」(この後は更新していません)には在庫切れグループに入っています。この「目録」をもとに「既刊本」ページや「書名索引」を作成しましたので、当サイトの刊行物一覧からも抜けていました。後で追加いたします。

■追加11/11 『これでいいのかダイエー野球』を既刊本案内スポーツコーナーに、画像入りで追加しました。『西鉄ライオンズ 伝説の野武士集団』にも画像を追加しました。

(9)池永復権と民主党 11/18

 前回池永復権問題について簡単に触れましたが、この事件は球界内部にとどまらない深刻な問題を孕んでおります。とはいえ池永復権運動は、おそらく池永正明氏自身が働きかけて浮上してきたものではなく、そもそもは周囲のさまざまな思惑に端を発して起こったものだと思われます。わたしがこれまでこの問題を避けてきたのは、池永復権を批判的に論ずれば、結果的に池永氏個人を非難しているような印象を与えるおそれがあったからです。そこでまず強調しておきたいのは、わたしが問題にしているのは、池永復権をめぐる周囲の人々の思惑や動きについてです。この点をまずお断りした上で、池永復建問題の真相に迫りたいと思います。

上記リンクによれば、池永復権運動は96年から始まっているようですが、わたしの記憶でも、10年ほど前に突如池永復権への動きが出ていることを新聞などで知り驚いたことを覚えています。10年ほど前だとの記憶は、三多の死後のことだったからです。この問題に限らず、福岡県周辺で起こる不可解な動きは、すべて三多の死後に始まったといっても過言ではありませんが、球界への介入も例外ではありませんでした。当時は何か唐突な印象はもったものの、今回の復帰フィバーが起こるまでは特段の関心はもたずにきました。

しかし今回の異様なフィーバーには、尋常ではないものを感じざるをえませんでした。実は10/13発表の本レポート(1)で池永復権に触れた折、ネットで関連ページを検索したところ、思いもかけないページに出くわしました。元民主党衆議院議員の楢崎欣哉氏のホームページです。なんと同氏が池永復権運動の事務局長を務めていたとのこと初めて知り、びっくり仰天しました。身売りした萩国際大学の安部元理事長(自民当の安倍幹事長の「安倍」とは違います。念のため)と並んで池永復帰運動に尽力されたとのことが、楢崎氏のホームページに記されていました。

わたしは池永復帰の背後に懐疑の目を向けて取り上げていましたので、そこに楢崎氏の名前を出してマイナスイメージを与えることには大変なためらいがあり、当初は楢崎氏関与については一言も触れませんでした。今回の衆議院選挙ではご本人が落選しただけではなく、民主党が大敗を喫しており、この上さらにマイナスになるようなことを書くことには躊躇せざるをえなかったからです。健全な野党は民主制維持のためには不可欠だからですが、よくよく考えると、現在の民主党は健全な野党というにはかなり危うく、脆いものがあり、事実を隠蔽してイメージダウンを避けて「保護」するよりも、むしろ事実を明らかににする方が将来のためになるのではないかと思い、本日楢崎氏の名前をここに記すことにいたしました。

合わせて当のページにリンクを貼ろうと思い、先ほどヤフーとGoogleで検索したのですが、楢崎欣哉氏のホームページは完全に消えていました。通常、一旦webに流すと、消したくても簡単には消えないものですが、特別措置として削除された模様です。10/13に楢崎氏のホームページを発見して驚いたものの、ゆっくりと読む暇はなく、ざっと目を通しただけだけですが、池永復権のために楢崎氏は政治家としても本腰を入れて取り組んでおられた様子でした。政治家が出動するほどの問題になっていたことをこの時初めて知ったのですが、かつて福岡に球団誘致をするために、地元選出の議員が先頭に立って運動したことを思えば不思議ではありません。

しかし現在は、かつてとは根本的に状況が変わってしまっています。かつて福岡で起こったプロ野球誘致運動は、地元の活性化のためになされたものであり、それ以上の野心をもった人物もいなかったし、運動もありませんでした。福岡にダイエーホークスを誘致したダイエーも、経済的な野心こそ強烈なものがあったはずですが、それ以上の、政界を牛耳ろうという政治的野心や、文化業界を配下に置こうなどといった文化的野心は皆無でした。しかし池永復権運動には、地域の活性化を図るというよりも、もっと別の意図が隠されています。地域攻略、球界支配などを介して、日本支配への布石を打つための一環としてなされた運動であるということです。楢崎氏がこのことを認識していたのかどうかは不明ですが、結果として楢崎氏はこうした運動の一端を担わされていたわけです。

堤清二氏が率いる文化犯罪が始まって以来、一つの動きが、政界、官界、経済界、大学を含む文化界すべてに波及するような工作がなされるようになっています。それらの工作が必ずしもすべてが成功するとは限りませんが、文化業界での天敵を粛正して以来、清二氏はマスコミに強力な影響力を行使し、マスコミを駆使して日本支配という政治的野望を突き進めてきました。池永復権運動でも、球界工作のみならず、文化業界支配への工作も着々と進められてきました。マスコミがこぞって、まったく無批判に復帰運動を支援し盛り上げてきたのはその成果です。30年もの間球界を追放されていた池永氏の復権が叶ったこと自体は、喜ばしいことには違いはありませんが、その復権を報道する新聞を中心としたマスコミのフィバーぶりは異様だといわざるをえません。

池永氏が実際に八百長をやったかどうかはわたしには分かりませんが、少なくとも池永氏自身が、それを疑われるような状況に我が身を置いたといことだけは誰にも否定できない事実です。30年もの間球界を追放されていたわけですから、その責めは十分に果たしたとは思うものの、報道すべきことを報道せずに、貴重な紙面をくり返し池永復権報道に割いた新聞の復権フィバーぶりは、この事実に完全に目をつぶって展開されたものでした。周辺の支援運動も同様です。問題はなぜこれほど異様な池永フィバーが演出されたのかということです。八百長疑惑への抵抗感を薄めることが最大の狙いです。

出版界においても、ここ10年近くの間、盗作経験者がマスコミに重用されています。盗作経験者は粛正されずにいるということですが、それだけではなく、有名大学の教授として採用されてもいます。学習院女子大学に教授として採用された某有名女性評論家も、大ベストセラーになった著書で盗作していますが、未だかつてその盗作は公には指摘されたこともなく、マスコミ、ことに朝日新聞系雑誌で某女は重用されています。某女の学習院女子大教授就任は、皇室攻略をも狙う文化犯罪者集団が、その一環としてなした人材派遣です。

という例とも合わせると、堤清二氏を中心とした文化犯罪者集団は、不正を不正とも思わない風潮をかもし出すことを狙っている、少なくとも、不正を知っても、我が身の傷を顧みて不正には目をつぶる、という布陣をあらゆる領域に敷くことを狙っているこが分かります。またこういう人物は外部からも操作しやすいのはいうまでもありません。山口に誕生した地域新球団の監督に就任し、池永氏が新しいスタートを切ったばかりの時期にこのようなことを書くのは、心底辛いものがあります。しかしあえて書かせていただきますが、池永復権も以上のような文脈で読み取る必要があります。合わせて、下関という地域攻略も同時進行で狙ったものであることはいうまもありません。

楢崎氏はこうした背景は知らぬままに、復権運動の先頭に立たれたものと思いますが、今回の衆議院選挙では落選しました。落選の原因は楢崎氏個人にもあると思いますが、基本は民主党そのもの脆弱さにあるというべきでしょう。その原因はいろいろあると思いますが、最大の要因は、直接、間接の堤清二氏とその周辺の文化人どもの介入を許しているところにあります。民主党の腰の定まらない不安定さは、主義主張の違う議員の寄り合い所帯であるという物理的な基盤にもあるとはいえ、その不安定さがいつまで経っても解消されないのは、外部からの「介入」に頼り、自らの頭と力で政党としての基盤を固めるための努力をしない、出来ないことに由来しています。

清二氏はあらゆる政党に工作の手を伸ばしていますが、新しいだけに民主党は党丸ごと牛耳られています。今回の選挙では、民主党の開票速報がプリンスホテルで行われたとのことで、驚き仰天してしまいました。岡田代表の見識も疑わずにはおれませんが、民主党そのものがこの事態に何の違和感も抱いていなかったということですので、民主党は党として見識が欠落していたということです。選挙という政党にとっては最大の闘争の結果は、戦いの本陣である党本部で受けるのが本筋だと思われますが、なぜプリンスホテルだったのか。理由は簡単です。背後に清二氏がいたからです。もちろん無料で会場を提供したのではなく、まったく無意味以下の浪費をさせたわけです。

プリンスホテル御用達の自民党ですら、党の幹部は党本部に陣取って開票を待ち受けていました。他党においても同様です。清二氏とその周辺の文化ゴロどもの介入を許しているかぎり、民主党の党勢拡大は不可能でしょう。わたしの経験からも清二氏と文化ゴロどもは払っても払っても、あらゆるルートを使って介入してきます。最後の血の一滴までをも吸い取るまで付けねらうはずです。ですから余ほどの覚悟を決め、細心の注意を払わなければ、連中の介入を防ぐことはできません。

こうした状況では、小泉自民党が圧勝するのは当然すぎるほど当然でした。小泉首相は善くも悪しくも、頑固にブレない。清二氏の介入により、政界も何がなんだか分からないような液状化現象が進行していましたが、小泉首相が登場後は政府の輪郭が明確になりました。しかもこの輪郭は時間が経っても薄れることはなく、むしろより明確になってきています。日米同盟の維持強化が小泉政権の最大の柱ですが、経済政策をはじめとしたさまざまな政策は、この柱を基礎に出されています。小泉首相には戦略がないとよくいわれますが、戦略は明解です。しかもこの姿勢は終始一環しています。対抗威力が、清二氏と文化ゴロどものパラサイト状況にあるがゆえに、未だ液状化現象から脱却できずにいるだけです。対抗勢力の対抗力はいつになったらその力を発揮できるのか、先行きはまったく暗い。

目下の日本では、小泉首相が最強のヒーローだとの不健康な状況は、まだ当分はつづきそうです。

追記11/21 ↓ 

民主党関連で追記します。実は葦書房の近くに、民主党の支部事務所がありました。正確にいえば、葦書房の近くにあるスーパーサニーに隣接しているビルです。以前にはなかったものですが、平成14年10月1日に葦書房の代表に就任して、通勤しはじめて気づいたものです。岩田屋の100%子会社であったサニーは、堤清二氏がオーナーである西友に不正な方法で乗っ取られたとわたしは判断していますが、そのサニーのすぐそばにありました。通りから入り込んだ道幅の狭い、政党事務所にしては人が集まりにくい場所です。通常ならばどんな政党でも選ばないだろうと思われる場所です。民主党の党名入り幟が2本もビルの前に立てられていましたが、いつの間にか幟は姿を消しています。事務所そのものも撤退したのかどうかは不明ですが。

さらに、その近くに元民主党議員の古賀潤一郎氏の自宅マンションがありました。新築マンションなので入居年数はそう経っていないと思われますが、学歴詐称問題でマスコミが取材に押し寄せたので、当社のすぐそばに古賀氏の自宅があることを知り、驚いた次第です。

また、血液業界にも触手を伸ばしている堤清二氏を告発していましたので、以前にはなかった化血研のビルが、当社の真ん前に出現しているのを初めて目にした時もぎょっとしましたが、ネットで検索したところ、熊本大学医学部を母体にして生まれた財団法人であるとのこと。さっき知ったばかりですが、熊大医学部の関連機関であることを知ると、当社の真ん前に出現したことにも、なるほどと納得せざるをえません。

もう一点付け加えます。ロッテの優勝にひっかかりを感じる理由の追加です。ロッテの本拠地は千葉ですが、千葉という地域への拒否感ゆえにです。三原時代に登録していた関係で、千葉の堂本知事のメールマガジンが当社宛に定期的に届けられていました。仕事に直接関係のないメールまでは読む暇はありませんので、購読解除の手つづきをしました。しかし、相変わらずメールマガジンは送られてきます。しばらく放置していたのですが、ある時、知事からのメールマガジンにウイルスがついていたいたとの連絡が、堂本知事のマガジン担当者からメールで連絡が入りました。購読解除を無視して勝手に送りつづけてきたメールマガジンに、ウイルスがついていたとの連絡に怒りが爆発。

しかし仮にも千葉県の公式機関から出されるメールが、ウイルスチェックもせずに発信されるはずはありません。もしウイルスつきのメールを送ったのであれば、マスコミで報道されるはずですが、そんなニュースは皆無。当社で受信したメールやパソコン内にもウイルスの存在を疑わせるような様子は見られません。何かの罠だと思い、無視しました。しかしくり返しウイルスが発生したので、ウイルスを駆除するようにとのメールが送られてきます。しかもそれらのメールにはウイルス駆除のためのソフトへのアドレスまで添付されていました。無視しつづけていると、その内、知事のメールマガジン担当者から、ウイルス発生は間違いであったとの連絡メールが入りました。

この連絡を受けたあと、抗議と購読解除のメールを送信。さすがにその後はメールマガジンは送ってこなくなりましたが、通常ではありえぬ非常に不可解な出来事でした。堂本知事も末端の職員の動きまでは把握していないと思われますので、公表は控えておりましたが、この出来事以来、千葉県には強い拒否感を感じています。

また千葉絡みで気になることがあります。今年2月千葉のいわし博物館でガス漏れ事故が起こり、学芸員が死亡しました。警察の調べでは原因不明ということですが、非常に不可解です。わたしはこのニュースを目にして、すぐさま大分県の空想の森美術館が森の空想ミュージアムと改名されて宮崎に移設されたことを思い出しました。移設後は空想の森美術館にもともとあったキノココーナーが消えています。両美術館には、きのこの森の雑記帖紹介文中にリンクを貼っていましたが、さきほど久々に覗いたところ、以前にはあった森の空想美術館の展示案内がすべて消えています。奇妙です。

清二氏が暗躍しはじめて以来、美術館ビジネスや博物館ビジネスが隆盛になりました。特に博物館ビジネスが盛んになっています。かつても箱モノ行政と揶揄された、美術館などの文化施設の建設ラッシュがつづいた時期がありましたが、かつては建物建設が利権の対象でした。清二氏が暗躍しはじめてからは、人、モノ、運営というソフトも利権の対象になっています。むしろソフトの方が利権としては永続します。次々と死者が続出するゆえんです。いずれどこかに、きのこ博物館の建設企画も売り込む予定であったはず。

ありとあらゆる領域から、堤清二の介入を排除せよ!

2005年10月13日 10/15 10/18 10/22 10/26 10/28 11/4 11/8 11/10 11/18 11/21
久本福子

葦書房有限会社
福岡市中央区赤坂3-1-2
第2大東ビル1F
TEL092-761-2895 FAX092-761-2836
ashi@gold.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~ashi/

 

 

 

 

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