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葦の葉通信

 

16号 2016/5/20

東住吉小6女児焼死事件

 

15 2016/4/18

1 禁教期を焦点化したキリスト教関連遺産の狙い

2 日本語と朝鮮語

● 九国博の変化

● 熊本地震

 

142016/3/16

1遺体が語る真実

2サイバーセキュリティ

 

13号 2016/2/27

1北朝鮮の核実験と日本

2北朝鮮のミサイル

 

黄金のアフガニスタン展

12  2016/1/26

日韓合意の不可逆性

 

謹賀新年

11号 2015/12/26

年末の外相訪韓

 

10号 2015/11/30

1 イスラム教とカリフ

2 中韓の相似と相違

 

 9号 2015/10/24

1 ノーベル賞と世界大学ランキング

2 ユネスコの存在意義

3 朝貢外交の今昔

 

 8号 15/9/22

1 広開土王碑文

2 縄文土器と埴輪

3 タイ爆破事件の深層

4 安保法と憲法

 

7号 15/8/30
1 70年談話の意義
2 五輪エンブレム騒動
 
 追記 9/1
3 自衛隊肉弾盾作戦

6号 15/7/28

1 深まる韓尊日卑 
2 アジアは広い! 
3 ザハ案採用の謎
4 明治産業革命遺産

 

5号 15/6/15
1安保法案と日本の防衛
2 MARS韓国と従軍慰安婦

 

4 15/6/3
国防

1 構造改革とIT 
2 TRONと日本のIT教育
3 プログラミング教育
4 新安保法案
5 大阪都構想のペテン

 

3 15/4/16
沖縄と福島原発
1百済展と歴史の真相
2高麗は日本をモデルにした
3スタップ細胞捏造事件

2号 15/3/10
1政治とカネ 
2 移民と日本の戦争責任
3 戦場の真実と未来への提言

1号 15/2/5
歴史の纂奪
 ―百済から通信史

サイト移転のお知らせ
15/2/5

 

 

 

 

 

吉田調書の真実

原発事故と巨大地震の正体

 

 

 

 

 

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葦の葉通信16号 2016/5/20

  

 

久本福子 YOSHIKO HISAMOT

 

 

 

漂泊する魂を描いて出色の作品!

 

 

 


川口順子著
四六判上製
209頁・1500円+税
ISBN978-4-7512-0867-0
 

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ISBN978-7512-0868-7(電子)

 

 

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東住吉小6女児焼死事件

 

1995年7月に大阪の東住吉区で発生した小6女児焼死事件を巡っては、昨年10月に大阪高裁が再審決定という事実上の無罪判決を言い渡して以降、青木、朴両被告は再審を待たず釈放され、一躍冤罪被害者としてマスコミの脚光を浴び続けてきました。連日熊本地震の報道に埋め尽くされていた4月末の朴被告の再審初公判で検察が有罪を取り下げたことから、両名は冤罪事件のスターとして、マスコミに華々しく再登場、青木被告は熱弁をふるっておりました。しかしこの事件の詳細を知れば知るほど、マスコミ報道とは真逆の印象が強くなるばかりです。昨今の裁判の一部には、権力による介入とは全く様相を異にした不可解な判決が相次いでいます。日本の司法の現場に、得体の知れない勢力の介入があるのではないかとの疑いすら抱きたくなる状況ですが、その実例として、本事件を検証してみたいと思います。

 マスコミが全く報道しないこの事件の概要を、以下の、2012年に再審を決定した、つまりは被告側主張を認めた大阪地裁の判決文を参照しつつ、ご紹介したいと思います。

 

平成24年3月7日 大阪地方裁判所第15刑事部

裁判長裁判官 水 島 和 男

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/346/082346_hanrei.pdf

 

本事件の経緯

1983年 (月は不明)    青木被告、前夫と結婚

1987年9月 青木恵子被告、前夫と離婚。長女(めぐみさん…判決文には本名の記載はない。1983年10月生)と弟である長男(名前、誕生日記載なし。長女より2,3歳下と思われる。)は被告が引き取る。

1990年4月頃 青木被告はホステスとして働いていていたスナックで、客として来ていた朴龍皓被告と知り合う。

1990年5月  青木、朴両被告同棲開始。(青木被が長女、長男と暮らしていたマンションに朴被告が同居。)

1991年12月 家賃の高いマンションに引っ越した上、車もローンで購入。

  (青木被告はチラシ投函のアルバイトに従事。朴被は電気工事の仕事に従事。)

1992年7月  朴被告3000万円の災害死亡保険加入。受取人は青木被告。

    11月  長女めぐみさん(9歳になったばり)も1500万円の災害死亡保険に加入。受取人は青木被告。

1994年3月  家計が苦しくなり、安い家賃のマンョンに引っ越したが、青木被告はこのマンションが気に入らなかった。

1995年1月10日 両被告は新築マンションを見学。

     1月18日 両被告は、10万円を払って新築マンションの仮契約をする。本契約をするには9月までに170万円を支払う必要があった。

     1月末  青木被告の父親所有の空き家(後に全焼)に、青木、朴、長女、長男の4人で引っ越し。

     3月   長男(8~9歳)も災害死亡保険に加入。受取人は青木被告。

     7月22日<事件発生当日>

 朴被告は、8時すぎに軽自動車(ホンダのアクアティ…2月に車検を受けたばかり!)に乗って、仕事先の大阪市内のマンショの建設現場に向かう。雨が降っていたので早めに仕事を切り上げ、4時5分に自宅に向かう。帰宅途中、ガソリンを満タンに給油。朴被告は帰宅前に、2度自宅に電話を入れた。

 青木被告も8時すぎに、別の車で商品配達のアルバイトに向かう。         

 長女と長男は夏休みで家におり、二人で留守番。         

 青木被告は、帰宅後、遊びにきていた長女の友達を、長女と長男と一緒に配達用の車で彼女の自宅まで送る。

 3人の留守中に朴被告が帰宅。

 青木被告は帰宅後、長女にお風呂に入るように指示。朴被告は作業服を脱いでパンツ一枚になっていた。青木被告と長男は6畳間でテレビを見ていた。

 4時50分、火災発生。

 発火前、朴被告は玄関を兼ねた密閉された車庫内で、数分間、車のエンジンをかけ放しにしていた。

 発火後、朴被告は長女を風呂場に放置したまま、パンツ一枚で市道に逃げ出す。

 青木被告も長女を風呂場に放置したまま、長男を連れて裏口から逃げ出し、路地に座り込んだまま、長女の救出には動かず。

 両被告とも長女を救出する行動は一切行っていない。のみならず、「火事だ!」と叫んで、いち早く近隣に火災を知らせる行動もとっていない。

 火事に気付いた近所の人はすぐさま、消火活動を始めた。近所の人の証言によれば、車の下から30センチから50センチ程度の炎が出ていたが、消化しようと思えば消火できる状況であり、実際に彼らは消火に当たった。

 4時57分、消防隊が到着。青木、朴両被告とも、消防隊員には長女の所在はあいまいにしか伝えず、風呂場にいることは告げなかった。家は全焼し、長女は「焼死」。長女の叫び声は誰も聞いていない。

    724日 朴被告、警察で事情聴取を受け、毛髪を採取される。

    727日 青木被告警察にて事情聴取を受ける。

    730日 朴、青木両名、警察にて任意の事情聴取。

    814日 朴被告、事情聴取された警察署で、長女と性的関係を持っていたことを自供。

    8月22日,青木被告は保険会社に,長女にかけていた保険金を請求。

     「車の底か ら出火し,煙が風呂場にまわり,入浴中の長女がその煙を吸って気絶した。」との内容の事故状況報告書兼事故証明書を作成。       

    9月10日 両名、警察に任意同行される。

 

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川口順子著
四六判上製
209頁・1500円+税
ISBN978-4-7512-0867-0(紙製)

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  長い判決文からポイントだけを抜き出しましたが、この概要を見ただけでも、両名を無罪とするにはかなりの無理があるのではないかと思われます。本事件の争点は、火災が両名共謀による放火か、車からのガソリン漏れによる自然発火かということです。

 再審決定の最大の理由は、朴被告の自白通りの方法では放火することは物理的に不可能であるということから、朴被告の自白は信用できないという一点にあります。コンクリートの床にガソリンをまいてライターで放火したという、朴被告の自白どおりの方法では、放火した当人もあっという間に炎にまかれ、大やけどを負うことが再現実験で証明されたという。しかし朴被告は頭髪の一部が焦げたぐらいだとのこと。再審を決定した大阪地裁と高裁によると、火災は、車から漏れたガソリンの蒸気が風呂釜の種火に引火して発生した自然発火によるものだという。本判決文には、地裁のこの判断がいかに正当であるかが縷々述べられています。

 素人の感想では、なぜ長女は悲鳴一つ上げずに、静かに焼き殺されたのかが、最大の謎として残ります。両名が、火災が発生したにもかかわらず、長女を救出しなかったばかりか、「火事よ!」と風呂場に向かって声すらかけなかったのは、焼殺することが目的であったからだとしか思われません。青木被告は消防署に連絡する冷静さは保持していながら、長女救出には一切動いていません。また火災発生時、長女が存命していたのであれば、風呂場から飛び出してくるか、悲鳴を上げていたはずですが、飛び出して来なかったばかりか、悲鳴すら上げていません。近隣住民の目撃証言によると、出火当時、車の下から30~50センチ程度の炎が出ているだけで、煙も出ておらず、消火ができる状況であり、実際住民たちはホースを使って消火に当たったという。出火時点で長女が存命であれば、風呂場から逃げ出すことはできたはずだと思われますが、なぜ彼女は逃げ出さなかったのか。

  焼死前に死亡していたならば、煙は吸い込んでいなかったはずですが、遺体解剖の結果がどうであったのかは不明です。朴被告の精液が長女の体内から検出されたことは判明していますので、解剖はしているようです。毛髪採取はそのDNA鑑定に使われたのでしょう。精液がどのくらいの時間体内に残存するのかは素人には分かりませんが、火災直前に行為に及んだとは、状況的にはちょっと考えられません。しかし長女は、出火時にはすでに逃げ出せない状況にあったことだけは確かだと思われます。青木被告が保険会社に申告したように、長女は実際に「気絶」状態にあった可能性もありえます。この申告が事実ならば、青木被告は、「気絶」状態にあったことを認識しながら、長女を救出しなかったことを自ら自白したことにもなります。

  また、車の下から40センチ前後の炎しか出ていなかったにもかかわらず、なぜ、出火後7分後には到着した消防が消火できないほど、瞬時に家が全焼してしまったのか。これも大きな謎です。検察と被告側は、ライターか風呂釜の種火かで着火源を争っていますが、種火ではなく、改めて風呂場の浴槽に着火すれば外の風呂釜では一瞬大きな炎が上がり、気化して風呂場周辺に漂っていたガソリンに引火して、車庫より先に風呂場に一気に火が移ります。外から着火すれば、着火した当人にも火が移りますが、風呂場の中からコックをひねって着火すれば、やけどもせずに放火することは可能で

 

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す。なお風呂釜には損傷はなく、風呂釜から出火したものではないことは確認されていますので、着火後はすぐさま種火に戻されたのではないかと思われます。

     車の下から30~50センチほどの炎が出ていたのは、車の給油口からガソリンを取り出す際に使った給油ポンプを車の下に装着したという朴被告の供述通り、ガソリンのついたポンプに引火して燃えていたものとも思われますが、あるいは別の何かが燃えていたのかもしれません。放火を否定する被告側は、車の下から40センチ前後の炎を出して何が燃えていたのかは証明していません。また、車の下からの炎はどこから引火したものかは、判決文を読んでもよく分かりません。ガソリンタンクからのガソリン漏れのないことも判明しています。タンクからガソリンが漏れていたならば、車が爆発炎上したはずですので、タンクからのガソリン漏れのないことは状況からも明かです。

 判決では、床にまいたガソリンにライターで放火すれば、一瞬にあたりが炎に包まれることが再現実験で証明されているにもかかわらず、実際には車の下から30~50センチぐらいの炎しか出ていないという目撃証言は、ライターで放火したという朴被告の供述の信憑性を疑わせるものだと指摘しています。車の駐車位置と風呂釜との距離は90センチほどだったそうですが、種火に引火した火が車の下に移動したということも、物理的にはありえないのではないか。種火からの引火ならば、車の下に移る前に床のガソリンに引火したはずですので、種火以外の何かによって着火したとしか考えられません。判決文では、朴被告は、仕事がらガソリンの特性にも精通しているので、床にまいたガソリンにライターで放火するという危険を冒すはずはないという趣旨の指摘もなされています。

 とするならば、朴被告は、床にまいたガソリンには直接放火せずに、車の下の何かにライターで放火し、その火が床のガソリンに引火し、あたかも車から火が出たという状況を作り出そうとしていたのではないか。その際朴被告は、自身には火が飛ばないように、車の下やその周囲にはガソリンはまいておらず、車の下から炎が出ていても、その周囲にはすぐには火は広がらなかった、というのが事の真相だったのではないか。こう考えると、車の下から30~50センチの炎が出ていただけで煙は出ていなかったという理由も、朴被告は前髪の一部が焦げたぐらいだったという理由もたちまちに明白になります。

  朴被告は帰宅して車を車庫に入れた後もエンジンは切らずにつけたままにしていたと供述していますが、帰宅までの走行と車庫内でのアイドリングで、車のエンジンはかなり高温になっており、ガソリンを切った後も、高温状態は続いたはずです。可燃性の物とはいえ、このエンジンの高温だけで何か付着した物に着火するとは思えませんが、エンジンの高温は、熱に溶けやすい物を付着させるに効果のあったことは確かだろうと思います。そして車の下の、熱を帯びたエンジンに付着させた物にライターで放火した、ということだったのではないか。

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おそらく放火の方法は一つではなく、先に指摘した浴槽への着火による放火も並行して実行したのではないか。その結果、ガソリンをまいていたこともあり、数分で家が全焼したということではなかったか。

  被告側の主張でさらに不可解なことは、ガソリンの自然漏出です。日本製の車で、駐車している車からガソリンが外部に漏れだすという事件は、見たことも聞いたこともありません。もしもそんな重大な欠陥車があれば、マスコミが報道するはずですが、皆無です。ましてや2月に車検を受けたばかりの車に、ガソリン漏れという重大欠陥が発生するはずはありません。そういう事例があるのであれば、重大事故につながりますので、マスコミは即座に報道すべきではありませんか。マスコミはなぜ、日本車のこの重大欠陥を報道しないのでしょうか。日本製品を叩くのが大好きな日本のマスコミとはいえ、報道すべき事例が発生していないから報道していないというのが、事実ではありませんか。あるいは、被告は満タンにしていた給油口を開けたままにしていたのでしょうか。

しかし車の給油口を開けたまま走ってもガソリンは漏れません。わたしの体験から断言します。セルフスタンドでガソリンを満タンにした後、キャップを置き忘れたことに気づかず、給油口を開けたまま数日走ったことがありましたが、ガソリン漏れはありませんでした。

 他にも疑問を挙げればまだまだあります。

 事件当日、なぜ被告らは、真夏の午後4時過ぎという早い時間に、長女を一番にお風呂に入れたのか。雨の降る建設現場で仕事をして帰ってきた朴被告よりも、なぜ長女を先にお風呂に入れたのか。これも大きな謎です。帰宅後、朴被告がお風呂に入ったという記載はどこにもありません。時間的に見て、もしも朴被告が先にお風呂に入っていたならば、長女の入浴時間はもっと遅くなったであろうことは言うまでもありません。これはおそらく、朴被告が帰宅後、玄関を兼ねた車庫に車を入れた後もエンジンを切らず、エンジンをかけたままアイドリング状態にしていたという行為と、密接に関係しているのではないかと思われます。朴被告は、密閉した狭い車庫の中で空ふかしして排気ガスを充満させた。何のためなのか。当人の供述によると、ガソリンの臭いをごまかすためであったという。

判決文では、この排気ガスだけでは、風呂釜の種火は消えないと縷々詳述して、種火が発火源だとする被告側の主張の正当性を追認していますが、排気ガスは他の用途にも使われたのではないか。密閉空間ゆえ、猛毒の一酸化炭素もかなり出たはずです。無色、無臭の一酸化炭素は微量でも失神(気絶)させるそうですし、引火すれば、煙を出さずに青い炎を出して燃えて二酸化炭素になるという。二酸化炭素は地球温暖化の原因だと言われていますが、直接的な毒性はありません。

 火災までの時間を見ると、浴槽に水を張ってお湯を沸かすことは物理的に不可能なので、長女はシャワーを浴びていたものと思われます。朴被告は犯行に着手する前に、長女がシャワーを浴びているのを確認したことを供述しています。被告側の主張が認められ、供述も犯行も否定されましたが、長女入浴時には浴槽にはお湯はなく、長女はシャワーを浴びて入浴代わりにしていたことは事実でしょう。暑い夏ですので、このこと自体は何ら不思議はありません。しかしシャワー浴であるにもかかわらず、長女の入浴時間は余りにも長い。出火前からすでに、長女は動けない状態にあったのではないか。長女は、4時50分の火災発生時点も風呂場にいたわけですが、風呂場から逃げ出さなかったばかりか、声も上げなかった。長女は、逃げ出すこともできず、声すら上げることもできない状態であったことは歴々たる事実です。

両被告が、長女を救出しようとしなかったことはすでに指摘したとおりですが、当人たち自身が救出に動かなかっただけではなく、消火に駆けつけた近所の人や消防隊員にも、長女は風呂場にいるとは伝えずに、「中にいる」(青木被告)、「奥にいるんや」(朴被告)といって、長女の所在をぼかしています。風呂場は奥とは真逆の玄関を入ってすぐの所、車庫の横に位置しています。長女が目の前の風呂場にいることをすぐさま伝えたならば、消防も即座に突入したはずですし、その前に近所の人が救出を手伝ってくれたかもしれません。しかし両名は長女は風呂場にいると言わなかった。彼らは、長女を救出する意思はなく、長女の救出を妨害する意図をもっていたことは明白です。

 また、8歳や9歳ぐらいの子供に母親本人を受取人にした災害死亡保険をかける母親も、通常ではありえません。通常はこの逆であることは改めて言うまでもありませんが、家族の中で青木被告だけが保険には加入していません。

 以上は、客観的に認定された事実とその事実を基にした素人の感想および推論ですが、これらの事実に被告側はどう反論しているのでしょうか。判決文を読む限り、被告側の反論はライターでの放火は物理的に不可能であるとの一点で、再審(事実上の無罪)を勝ち取っています。挙げ句に、大阪地裁は、被告らが長女救出に動かなかったのは、突然のことで気が動転していたからだとの、被告らにとっては思いやり深すぎる判決文を草しています。一方、検察は被告の供述に引きずられすぎているように思われます。検察はなぜライター着火にばかりこだわったのか、素人には不可解です。

検察が有罪を取り下げ、再審を待たずに、事実上の無罪が確定した現在、両名の供述はすべて検察誘導による捏造ということになるのかもしれませんが、供述はこの事件の動機をも語っています。新築マンション本契約のための170万円の工面を青木被告から促された朴被告は「保険金があるやん」「保険金が入ったら、170万円くらいすぐはらえるやん」とこたえたという。これが本事件の発端、動機になったというのが検察の主張のようですが、たった170万円のためにこれほどの重大事件を犯すとは合理性を欠く判断であり、朴被告の発言は長女を殺害して保険金を取ろうと明確に主張したものではないとの趣旨の、地裁の主張が判決文に記されています。しかし被告らは、マンションの仮契約時に10万円を支払っただけで、残りのたった170万は、事件発生時点でも未だ支払ってはいません。

 

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 朴被告にもすでに青木被告を受取人にした3000万円の保険がかけられており、マンション購入契約後、犯行の4ヶ月前には、青木被告を受取人にした2000万円の保険を長男にもかけています。たとえ内縁関係とはいえ、世帯主が保険に入るのはどこの家庭でもあるごく一般的なことですので、朴被告の保険は特段怪しむことではありませんが、朴被告が口にした「保険金」は誰の保険金なのかは、この一言、二言だけでは確かに不明です。しかし誰かをターゲットにして保険金を手に入れようとしていたことは明らかです。この供述も検察に強要されたものだとして破棄されたとしても、母親を受取人にした死亡保険金に幼い子供たちを次々と加入させていたという事実は消しようもありません。特に長男の保険加入は、契約金を払う目処もないままに、両被告が分不相応な新築マンションの購入契約をした直後であったという事実は、尋常ではありません。なお全焼した青木被告の父親所有の家に火災保険がかけられていたか否かは不明。

 供述では、両被告の間では犯行の謀議がなされたことや、犯行を実行に移す際の合図、暗号のようなものも決めていたということも明らかにされています。犯行当日、朴被告が自宅に2度も電話を入れたのは、留守をしている子供たちを案じたものではないことは明白です。義理の娘とはいえ、11歳の幼い少女に性的虐待を加えていた朴被告が、子供の身を案じて電話をすることなどありえないと思われます。青木被告との犯行決行のための打ち合わせの電話であったと思われます。この供述も破棄されるのかもしれませんが、義父に犯された上に、助けを求める声すら上げずに、静かに焼き殺された長女の無念は、いったい誰が晴らしてあげるのでしょうか。

 この事件とは無関係ですが、福岡地裁では、麻薬売買や拳銃発砲事件で暴力団員が起訴された裁判で、非常に不可解な無罪判決が相次いだことは以前、ご紹介しましたが、2ヶ月ほど前にも、組の抗争事件に絡んで、相手方事務所に火炎瓶を投げ込んだ事件で、組員が実行犯として起訴された裁判でも、嫌疑不十分で無罪判決が出されていました。ほんとうに嫌疑不十分だったのかもしれませんが、福岡県ではここ数年、暴力団への警察の取締りがかつてなかったほどに強化され、効果も顕著に現れていますが、最終地点の裁判で暴力団を結果として野放しにするような判決が出されるならば、日本の治安は根底から覆されることにもなるのではないかと心配です。さらに、起訴しても裁判で無罪(検察にとっては敗北)になるのなら、起訴はしない、つまり無罪放免にするという判断が検察側に働くのではないかという心配も出てきます。

先日、有毒物質を不法投棄して放置して長らく問題になっていた、福岡県飯塚市の産廃業者を県が告発した事件で、検察は諸事情を考慮したとして、不起訴にすることを発表しました。県の指導や措置命令にも従わず、鉛などの有毒物を放置し続けたこの業者の不法行為は明白ですが、今では廃業しているらしい。しかし父親(77歳)とその息子(38歳)が代を継いで社長として産廃事業を続けていたようなので、会社は廃業していても、私財を投げ打ってでも親子で責任を取るべきであるのは当然ですが、親子で責任放棄(法律無視)を貫徹した格好です。その結果、福岡県はこの業者に代わって、18億円を投じて不法廃棄物を処理せざるをえなくなったという。

 しかしこれほどおかしな話はあるでしょうか。誰であれ、犯罪を犯せば、お金のない人間でも起訴され裁判にかけられます。なぜ検察はこれほど悪質な業者を不起訴(無罪放免)にしたのでしょうか。裁判をしても、彼らは判決には従わないだろうと考えたからでしょうか。もしそうであるならば、裁判制度そのものを否定することになります。あるいは、これほど有罪が明々白々な被疑者であっても、裁判では有罪にならない可能性があるとでも考えたのでしょうか。こういう悪質業者が何の罪にも問われないとしたならば、法律無視の不法行為を貫徹した者が得をするという、無法社会の出現にもつながりかねません。

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検察のいう「諸事情」が何であるのかは今のところ不明ですが、ある特定の勢力に対しては、彼らが仮に犯罪を犯していても、罪を問われず無罪放免されるという動きが、法曹界を中心に人知れず、ひそかに進行しつつあるのではないか。冤罪は確かに恐ろしい。しかしその逆も恐ろしい。しかもある特定の勢力に対してのみ、犯罪を犯しても無罪放免されるという社会の出現は想像するだに恐怖そのものですが、昨今のある特定の裁判結果を見ると、想像の世界の出来事ではなく、日本ではすでに進行しつつある事態ではないかとも思われます。三権分立で司法には政治家といえども介入できませんし、介入すべきではありませんが、聖域ゆえに特定勢力の浸食には弱いのではないか。

熊本地震は、今なお鳴り止まずという異常事態が続いていますが、前回お伝えしました不通になっている豊肥線は湯布院につながっているのではなく、阿蘇へ通じる軌道だという。阿蘇への軌道を修復するには10年はかかりそうだといわれています。阿蘇はそれほどに壊滅的な被害を受けたということです。湯布院には列車は走っているそうですが、あの美しい湯布院の町も屋根にはブルーシートがかかっているという。先日、豪華列車ななつ星も運行を再開しましたが、目玉観光地の阿蘇には行けず、湯布院での滞在を増やしているという。その一方、ゴールデンウイークの直前に、4月29日から5月22日の期間に実施される、博多、境港、釜山、舞鶴、金沢という日韓の日本海側の観光地をめぐるイタリアの豪華客船のクルーズ観光案内の新聞チラシが入っていました。そのタイミングには言葉もありませんでした。日韓共同の豪華クルーズ船観光旅行は、日韓両政府が裏で企画したものなのか、純粋に民間の事業なのかは不明ですが、観光地間競争が激化すれば、相手によっては、ライバル観光地を土地丸ごと潰せという工作がなされる可能性もゼロではないはずです。

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 韓国では日本人観光客が激減し観光業が大打撃を受けていますが、韓国観光当局は、大勢の韓国人観光客が訪日しているのに日本人観光客の訪韓数は減少したままだ。もっと日本人観光客を訪韓させフィフティ、フィフティの関係にすべきだと日本の観光庁に要請し、日本側も韓国のこの要望に応える旨の対応をしたとのことが、新聞に出ていました。しかし旅行は個人的な嗜好の問題であり、こんな領域にまで政府が介入するのは独裁国家以外にはないはずです。しかし独裁国家中国でも日本に対して、こんな要求まではしてこないはず。こんな要求をしてくる国は韓国以外にはないでしょう。

韓国政府のまずなすべきことは、なぜ日本人観光客が激減したのかを謙虚に反省することではありませんか。反省もせずに、日本政府に圧力をかけてくるとは余りにもあさましい。この韓国政府の不当な要求に、唯々諾々と応じる日本政府関係者やお役人には怒りを覚えます。韓国人を怒らせたくないというのが、日本の政治家とお役人の基本姿勢のようですが、訪日する韓国人旅行客の増加は、韓国政府からその見返りを要求される可能性が高く、日本としては手放しでは喜べません。日本人観光客の訪韓数が増加しない場合は、韓国政府は別の代替見返りを要求してくるかもしれません。韓国政府は不当な言いがかりをモノともとせず、あの手この手を駆使して、日本からの先端技術を含む富の収奪を画策し続けてきたことは、過去の豊富な事例が証明しています。

●本号公開後、舛添東京都知事の記者会見が開かれました。一部を聞いただけでも、これほど公私混同の激しい政治家も珍しいのではないかと、驚愕の一語です。口では恥ずかしいとは言ってますが、その実、全く恥の意識の欠落した人物ではないかというのが、会見を聞いての率直な感想です。元学者でここまで汚い人物は二人とはいないのではないか。

実は、舛添氏の収支報告書に「葦書房」という名前が出ていたということで、某所からお問い合わせがありました。舛添氏からは、10年ほど前にはご注文をいただいたことはありますが、お問合せの時期には弊社へのご注文はありませんでしたので、その旨、お答えいたしました。他の葦書房さんの可能性のあることもお伝えしました。

今日、九州国立博物館で「始皇帝と大兵馬俑」展を見てきました。以前、東京で、中国の別の時代の兵馬俑展を見たことがありましたが、始皇帝の兵馬俑の巨大さには驚かされました。同展を見て様々なことを感じさせられましたが、感想などは別の機会に書くことにします。本日、追記をしましたのは、前号で九国博に関連して、水城の木樋のことを書きましたが、一部誤りがあったからです。

前号では会場の出口に、新品の水城の木樋模型が展示されていたとかきましたが、今日、よく見ると、新品の模型ではなく、江戸時代に発掘されたという本物でした。昨年の百済展に展示されていたのは、黒ずんだいかにも時代の古さを感じさせるものですが、この木樋はきれいに磨かれているような感じさえするもので、百済展展示品と同時代のものとは思えない印象です。前回は、思いがけないモノに出口で出会ったので、瞬間的な印象で新品だと勘違いしたようです。お詫びして訂正いたします。

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